大阪市の北区をグルグル巡るブログ | 大阪市の北区メインでいろいろ仕事をしてます。仕事場も住んでるところも大阪市北区なので、北区をグルグル巡って、目にしたもん耳にしたもん感じたもんを、つらつらと書いています。

大阪市の北区をグルグル巡るブログ
大阪市の北区をグルグル巡るブログ
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


関西のクリエイターと企業、ハンズがトライアングルを組んだ「made in west」に行ってきた☆
なーんか仕事がバーッと重なって、毎日毎日、ドタバタしてます。
おかげさんで仕事がまったくない、という時間はないのだけれども、もちょっと均してくれんかな、と思わないでもない今日このごろ。

すでにずいぶんと古い話になってしまって申し訳ないのだけれども、まだ間に合う!と、懺悔の意味も込めてエントリーです☆

梅田大丸の3フロアで展開している東急ハンズで、今、「made in west」というイベントが開催されています。今、というか、5月12日から開催されていて、会期は残りわずか、6月12日(日)までです。ハンズの10Fの端っこにある、ハンズインスピレーションという場所で開催されてます。ここ、でっかい窓から柔らかい陽光が差し込んで、非常に居心地のいい場所です。

made in west

made in west


イベント詳細は、こちら。

http://umeda.tokyu-hands.co.jp/inspiration/11f/made-in-west.html

関西のクリエイターと企業、ハンズがトライアングルを組んで、いろんなジャンルのオリジナルプロダクトを出品してはります。
関西はクリエイターの宝庫だし、しかも、なんやわからんけどオモロそうやしやったらえーやん!という、サントリーの佐治さん流に言えば「やってみはなれ」の精神を宿した人が多いし、しかもかかわっているのがハンズということで、手づくり感溢れるものに特化しているだろうことも容易に想像でき、これはこれは、と楽しみにしながら、行ってきたのでした。

しかも、お友だちのカノさんも出展されています☆

カノさんのfacebookページ「場をつくり、人と人とを繋ぐのが好き。 大阪のコピーライター 狩野哲也事務所」は、こちら。

http://www.facebook.com/kanotetsuya

カノさんといえば、人と人とを繋いだり、繋がる場をつくったりと、どちらかというと編集者的な立ち位置で仕事をされている方で、ご本人がなにか作品を生み出す、というよりも、素敵なものが生まれるような化学反応が起こる仕組みをつくるのがメッチャ上手い人、だと僕は認識しています。
でも、その彼が作品を出品しているというではないですか。カノさんの未だ見ぬ一面を知ることができそうで、そういう楽しみもあったのです。

会場に足を踏み入れてみると、手づくり感満載の、プロダクトというよりはクラフトと呼んだようがふさわしいものが、ずらーっと並んでます。

こんなのとか。

made in west

made in west

リ・バースデイ ノート、と呼ぶのだそうです。
緩衝材として使われるようなリサイクル用紙や廃番になったデッドストックの紙を使って、ノートにしました。
使い古されたものや時代の流れに置き去りにされたもの、捨てられる運命にあるものにアレンジとアイデアを加えて、モノとしての新たらしい人生を祝福しよう!と、そんなコンセプトから生まれたノートです。
そこにみなさんが思い思いにデコレーションしているのだけれども、ノート本体も、よーく見ると、大きさも厚みもバラバラ。
定型にこだわらないところが、1点モノっぽくて、好きです。
材料にかぎりがあるから量産できない、プロパーにできない、という欠点を逆手にとって、定型じゃないところがアピールポイントになってます。そーゆーの、すごく好き☆

そんななかに、カノさんの作品を発見☆

made in west

カノさん事務所のキャラクター・ひよこさまが表紙にぺたんと鎮座しているので、イッパツでカノさんの作品だとわかりました。
緑と黄色のコントラストがサイコーです。僕の大好きな黄金の配色☆
って、そこじゃなくて、中身ですね。
中身、詩集です☆☆☆☆☆

ノスタルジックな写真とともに、カノさんの詩が、全編にわたって展開されています。
表紙も含めて、全体的にノスタルジックなトーンでまとめられているところは、このプロジェクトが持っているコンセプトの色合いを表現しているようにも思います。
プロジェクトのコンセプトはまた違うところにあると思うのだけれども、プロジェクトの色合いというかトーンというか、まとっている雰囲気が、この作品には表現されているように思います。
まあ、カノさんはそんなことは意図していないだろうけれども。

んで、中の詩はというと、なんちゅーか、カノさんがtwitterでぼそっと漏らす気づきのようなものがたくさんあって、詩には違いないのだろうけれども、言葉の断片があちこちにふわふわ浮いている、というかんじ。
ここでネタバレしたくないので、具体的なことは書きませんが、これらはきっと、カノさんの頭のなかに常にふわふわと浮かんでいるアイデアの種のようなもので、そのなかにはすでに花を咲かせたものもあれば、まだまだ熟成中といったものもあって、眺めていると、カノさんがなにに気が向いていて、どんなところに行こうとしているのか、そういうのが垣間見えて、なかなか興味深いです。
あと、ダジャレ系の詩もちょこちょこ挟まれていて、そこがホッコリさせてもくれます。


目を転じると、今や中崎町を代表するブランドになりつつある、注染手ぬぐいの「にじゆら」さんの作品も。

made in west

にじゆらさんのことは、以前にエントリーしました。

「大阪が生んだ染の技術『注染』を今に伝える『注染てぬぐい にじゆら』さんを訪ねる」

今回出品されている作品のなかで、僕が気に入ったのは、上の写真のもの。残念ながら「not for sale」となっていたけれども、これ、ハンカチにもランチョンマットにもできそうです。
にじゆらさんのてぬぐいは何枚も使っているのだけれども、手ぬぐいなので、両サイドからほつれてくるのですね。
そのほつれが手ぬぐいのいいところなのだけれども、やっぱ、このほつれは、現代生活のなかで使っていくのには、ちょっとマッチしないのですね。
だから、こうやって四辺にステッチを施してもらうと、よりコンテンポラリーなものになって、個人的にはありがたいです。
今回は、チェコやハンガリーの雑貨を扱って勢いのある「CHARKHA」さんと組んではります。そのコラボから生まれたデザイン。
注染の技術も生かされているし、味のあるデザインですね。


他、こんなレターセットも。

made in west


これ、通常の封筒よりも、ひとまわり小さくて、縦横比も微妙に違います。
封筒をつくり続けて100年のハグルマ封筒の社長さんが、封筒として一番美しいのは、一般的な長形3号サイズ(220×110mm)よりもDLサイズ(220mm×110mm)だ!と断言して、このかたちのレターセットが生まれました。
いやー、こういう断定は大好きです。マーケティングを基にしたモノヅクリが常識の時代にあって、個人の感性がベースになっているものは、それだけで果敢です。
個人的には、僕もDLサイズが好き。
手紙は書くほうだけれども、DLサイズの封筒はたしかに少なくて、これはほしい!


これ以外にも、たくさんの作品が集まっていて、どれもこれもクラフト感溢れるもので、特に雑貨好き女子にはたまらんラインナップです。

個人的には、やっぱ、カノさんの詩集が一番興味深かったけどね(笑)

6月12日までやっているので、皆さん、ぜひ☆




made in west
会期:5月12日(木)-6月12日(日)
会場:東急ハンズ梅田店 10F ハンズインスピレーション
大阪市北区梅田3-1-1 大丸梅田店 10F
HP http://umeda.tokyu-hands.co.jp/inspiration/11f/made-in-west.html



大きな地図で見る

6月4日、傷ついた被災地をニットで支援していくためのプロジェクト「TJWK」のモチーフ・サーキットを、関大リサーチアトリエで開催します。来てね☆
Think Of JAPAN While Knitting 関西

今週末、6月4日(土)、3.11で傷ついた被災地をニットで繋いで支援する「Think Of JAPAN While Knitting 関西」の、一発目のモチーフ・サーキットを、天神橋筋商店街の3丁目にある「関西大学リサーチアトリエ」にて、いよいよ開催します。最寄り駅は地下鉄堺筋線「扇町駅」ね。「南森町駅」やJR環状線「天満駅」も近いです。


第1回モチーフサーキット
日時:6月4日(土)10:00-17:00(ふらっと来てふらっと帰ってもらうのは全然オッケー☆)
場所:関西大学リサーチアトリエ(大阪市北区天神橋3-9-9)
参加料:無料

■震災と支援のお話:15:00-15:30
草郷孝好先生(関西大学社会学部社会システムデザイン専攻教授
水俣からスタートした地元学のお話や、そこから得られた教訓を震災復興に生かしていく方策などを、スライドを交えながらお話していただきます。


ミニ・ニットカフェ:参加記念のミニポーチのキットをプレゼント


※かぎ針、毛糸は、それぞれのメーカーさんや専門店さんから無償提供していただきました。ですから、手ぶらで来ていただいて結構です。でも、毛糸を寄付してもいいよ!って方は、どしどしお持ちください。ただし、ウールの毛糸ね☆


詳細は、特設サイトをご覧あれ。

http://atricot.jp/tjwk/

日程や会場情報ももちろんだけれども、twitterでハッシュタグ「#tjwk」をつけたtweetをトップページに集約させています。これ、見ているだけでも、メチャクチャ楽しいです☆皆さんもぜひ、ハッシュタグ「#tjwk」をつけてtweetを。


「Think Of JAPAN While Knitting 関西」については、サイトをオープンさせたときに、記事をエントリーしました。

「傷ついた被災地をニットで支援してくためのプロジェクト、『Think Of JAPAN While Knitting 関西』のお手伝いをすることになりました」


僕の知り合いのニット・アーティスト、atricotさんが、このプロジェクトの関西呼びかけ人を務めています。僕も、広報を中心にお手伝いさせていただいてます。

ニット・アーティスト、atricotさんのブログには、今回のプロジェクトを関西で立ち上げるに至った経緯が、思いとともに書かれています。

http://atricot.jugem.jp/

傷ついた同胞をまえにして、モノヅクリに従事するひとりのアーティストが、なにを考え、なにによって突き動かされたのか、そんな心の変遷が綴られている、素晴らしいエントリー群です。
東日本大震災直後の3月13日にアップされたエントリーから現在に至る9本のエントリー群は、何度でも読み返す価値があるよ、と、進言しておきます。



前回のエントリーと重複するけれども、プロジェクトの概要をザクッとおさらい。

簡単に編める小さなモチーフを、みんなで集まって編みます。
6月から9月にかけて、さまざまな会場でモチーフを編むイベント、「モチーフ・サーキット」を行います。
モチーフ・サーキットでは毛糸屋さんから無償提供していただいた毛糸を用意していますが、ご自宅でご自身の毛糸でモチーフを編んでいただき、郵送していただくこともできます。

そうやってみんなで編んだ小さなモチーフを100枚程度繋いで、ひとつの大きなブランケットをつくります。
モチーフが200枚集まれば2枚のブランケットが、300枚なら3枚、400枚なら…。たくさんのブランケットが完成するのを夢見ています。

で、完成したモチーフを、展示販売とオークションの二本立てて、売っていきます。
この売り上げを、全額、「あしなが育英会」に寄付し、被災地の復興に役立てていただきます。
あしなが育英会では、震災遺児の支援に力を入れているので、そういう方面に、このおカネは使われます。



そして、このプロジェクトの最初のイベント、第1回モチーフ・サーキットが、6月4日(土)、いよいよ関西大学リサーチアトリエで開催されます。

関西大学リサーチアトリエとは、関西大学「社会的信頼システム創生センター(通称 / 関西大学・STEP)」の研究活動を軸として、地域とかかわりながらリサーチを行なう拠点です。
さらに、天神橋筋商店街と協力して紙芝居を行なったり、地域と連携したさまざまな催しを行う場でもあります。日本で唯一の、大学と商店街が連携する拠点。

こんなところです。

http://www.kansai-u.ac.jp/rakusai/

これは、毎週金曜日に行なわれている紙芝居の「少年少女ハナキン倶楽部」の様子です。

Think Of JAPAN While Knitting 関西

そういう場所をお借りして、また関西大学・STEPの大変な協力も得て、第1回目のモチーフ・サーキットは開催されます。

冒頭に書いた通りですが、たくさんの人に集まっていただいて、みんなでワイワイ言いながら、小さなモチーフを編むのです。
モチーフは簡単なもので、慣れている人なら1枚完成させるのに5分〜10分程度、初心者の方でも1時間程度で編めてしまうものらしいです。編みかたがわからない人もダイジョーブ☆ 編みかたレッスン動画もプロジェクターを使って流すし、懇切丁寧に教えてくれる人が、何人も来てくれはりますから。
生まれてこのかた編み棒を触ったことすらない関西大学・STEPセンター長の与謝野先生が、すでに柘植製の特注かぎ針を発注して腕まくりして張り切っている!という噂も入ってます(笑) 皆さん、ノリノリ☆


6月4日(土)、当日の会場で行なうことで、決まっていることを、書いておきます。

まず、トロントで完成したブランケット第1号の写真からつくったポスターを展示します。
トロントから送られてきた写真を見たとき、これは美しいわ!と思って、勢い、ポスターにしちゃいました。
最終的にこのようなものができるのかと思うと、モチーフを編むモチベーションも上がるというもんです。

Think Of JAPAN While Knitting 関西

このポスターは、関西大学・STEPの協力を得て、つくられました。
そう、今回のイベントは関西大学・STEPの後援をいただいています。
名前だけ、箔付けのための後援などではなくて、もう、感謝しきれないくらいのご協力をいただいていて、なにから書いていいかわからないくらいなのですが、とにかく、関西大学・STEPさんの協力で、何倍も素晴らしいイベントになりそうです。

当日は、15:00〜15:30、震災や復興にかかるミニ講演も実施します。
お話していただくのは、関西大学社会学部社会システムデザイン専攻教授の草郷孝好先生です。
水俣をきっかけに地元学という研究がスタートしたのですが、水俣病に見舞われた地域が、どのような取り組みを続けてきたのか、そのなかでどのような教訓を得たのか、というようなことは、先の新潟地震の復興においても適用されており、今回の東日本大震災の復興においても役立つものばかりなのだそうです。そうしたお話を、スライドを交えてお話していただけます。

草郷先生のご経歴や研究については、こちらを。

http://www.glocol.osaka-u.ac.jp/staff/kusago/index.html

ブログも発見☆

http://kusago.blog114.fc2.com/


海外を飛びまわっている草郷先生をお呼びするために、STEPセンター長の与謝野先生がさまざまな調整をしてくださり、不可能と思われたものを実現させてくれはりました。もう、すごすぎですっ!
一応、目安として20分間の講演をお願いしてあるのですが、時間の許すかぎり、お話していただきたいと思っています。

さらに、ナミハヤノーツさんの協力を得て、当日の模様はUst配信します。
関西USTREAM大賞・町部門を受賞された、関西を代表するUstチャンネルを運営する、あの、ナミハヤノーツさんです!

ナミハヤノーツさんの名作の数々は、こちらをご覧あれ。

http://www.ustream.tv/channel/namihayanote

当日は、カメラを構えながら、音声をチェックしながら、さらにはテロップまでリアルタイムで入れてしまうというナミハヤノーツさんの神業が見れます☆
って、そこじゃなくて、やっぱ、トロントやサンフランシスコ、東京など、Think Of JAPAN While Knittingを展開している各所で関西の息づかいを伝えることができるし、被災地にも、なにかを伝えることができるかもしれません。

当初、ナミハヤノーツさんのチャンネルに組み込んでいただきたいとお願いしていたのだけれども、TJWKでチャンネルをつくったほうがいいよ!とご提案いただいて、オリジナルのチャンネルを開設することになりました。

当日、生中継をご覧になる方は、どうぞこちらのチャンネルを。

http://www.ustream.tv/channel/think-of-japan-while-knitting

ハッシュタグ「#tjwk」を付けてtwitterでつぶやいてもらえると、チャンネルのタイムラインに反映されます。当日は、みんなで盛り上がりましょう☆
会場に来られない方が、PC前でモチーフを編みながらUst&twitterで繋がる!なんてことも実現しそうです☆


当日、皆さんに編んでいただいたモチーフがどんどん増えていく様子がひとめでわかる仕掛けも用意しています。これは当日、会場に足を運んでいただいてからのお楽しみ☆

あと、せっかく天神橋筋商店街のど真ん中で開催するのだから、お昼ゴハン、美味しいお店で食べていただきたいと思い、会場から歩いて10分圏内のランチマップも作成しました。
えーっとですね、なんでここまで!と我ながら思うほどリキ入れてつくりましたから(笑)お土産がてら、持って帰ってくださいませ〜。

こんなのです☆

Think Of JAPAN While Knitting 関西


まだあります。
会場に足を運んでモチーフを編んでくれた方には、参加記念のミニポーチのキットをご用意しています。
さらに、義援金箱も置きます。

いやー、我ながら、盛りだくさんです☆
できるのか?(笑)

もうね、関西大学・STEPセンター長の与謝野先生をはじめ、スタッフの皆さん、商店街の方々、ナミハヤノーツさんほか、関西呼びかけ人のatricotさんを中心として、じつにたくさんの方々に協力していただき、またご自身のことのように真摯に受け止めていただき、ありがたい提案もたくさんしていただき、これだけの力が結集して素敵なものにならないわけがない、というくらいです。




モチーフを集めて、繋げてブランケットにして、売って…、ということだけを考えると、なにもイベントを開催する必要はありません。ご自宅で編んでもらって、それを一ヶ所に集めて、何人かでエイヤッ!と繋げるほうが、はるかに効率がいいです。
でも、そうではなくて、僕たちは、みんなが集まれるイベントを、何度も、場所を変えて、できるだけたくさんの人が参加しやすいかたちで開催していきたいと考えています。
そうすることで、人と人とが顔をあわせ、みんな繋がってる!ということを実感したいのです。顔をあわせて、おなじ時間を共有することで、ひとりじゃない、みんなが繋がってるんだという実感を根っこに持っておくことは、これから長く支援を続けていくモチベーションになると、僕たちは思っています。

糸を編んだり繋げたりするのがニットだけれども、みんなが集まることで、糸だけではない、想いを編み込んだり繋げたりすることができます。
学校、商店街、福祉の現場、クラフトの現場、カフェ…、これからいろんな場所で開催していくのだけれども、それは、普段知り合う機会のない人たち同士が、自分のテリトリーを越えて繋がれたらいいな、ということを夢見てのことです。
そうやって、老若男女問わず、さまざまな人たちが繋がって、繋がることで支援の輪がひろがっていったらいいな、と、そんなことを考えています。

ニットというのは、それなりに時間のかかる行為です。
時間がかかるから、そんなものが復興支援に役立つわけがない、と、だいたいは考えがちです。
でも、時間がかかるということは、逆に、時間をかけられるということでもあります。
毎日、少しの時間を使って、モチーフを編む。少しの時間を定期的に持つことができる。この時間は、被災地について思いを巡らせる時間でもあります。
少しの時間を定期的に、ということは、細く長い支援に繋がっていきます。
Think Of JAPAN While Knitting、というプロジェクト名には、そんな思いが込められています。

しかも、モチーフを編むという、たったそれだけのことで繋がっていける。
これはニットにかぎらないけれども、手しごとというのは、じつは、身近にある道具を使って誰にでもできるものですね。伝統工芸と呼ばれるものですら、よくよく考えてみると、そうなってます。
木工なら、ノミやノコギリがあればできます。服飾にかかることなら、針と糸があればできます。
でも車をつくろうと思ったら、道具どころか、デカい製造プラントが必要。PCを一からつくろうと思ったら、まず、クリーンルームの設計からはじめなければならない(笑)
でも、手しごとは、そこらへんにあるモノを応用して、道具にして、とっととはじめることができます。
その道を極めるのならはるか遠く険しいものだけれども、入口の敷居は、とっても低いものです。
敷居が低い。だから、誰でも参加することができる。

そういう、ニットの特性を生かして、僕たちは、このプロジェクトを、薄く広く、長くのばして、水がしみていくようなかたちで広めていけたらなと考えています。そういう支援に繋げていけたらなあ、と。




僕自身は編み棒も毛糸も手にしない人間だけれども、ニットというのはいいもんだなあ、と、こうやって触れていると思います。

アイルランドに今も息づくアラン・セーターのことを思い浮かべます。
独特の編み柄は、漁に出る夫の無事と豊漁を願う女たちの祈りが込められていると言います。
編み柄の組み合わせは、家紋のように家ごとに異なり、それは、母から娘へと伝承されています。
漁で遭難したとき、身元を判断する手がかりとなるよう、家々によって編み柄が違っているのです。

ということに思いを馳せたとき、ニットというのは、自分のためではなく、誰かのために行なう行為なのではないか、という思いを、僕は強く持ちます。
ニットとニット以外の服飾とを比べた場合、ニットには、誰かのため、という比重が強いように感じます。
そして、誰かのためである以上、そこにはなにがしかの思いが込められているということは、当然のこととしてあるのではないか、とも。
ニットという行為の本質は、そんなところにあるのではないか、と、僕は思うことがあります。

で、そうであるとしたなら、Think Of JAPAN While Knittingでやろうとしていることは、ニットが本質的に持っているものを浮き上がらせるんじゃないだろうか、とも。

なんてこともチラと考えながら、6月4日(土)、精いっぱい頑張ろうと思っています。
皆さん、来てね☆




Think Of JAPAN While Knitting 関西
HP http://atricot.jp/tjwk/


第1回モチーフサーキット
日時:6月4日(土)10:00-17:00(ふらっと来てふらっと帰ってもらうのは全然オッケー☆)
場所:関西大学リサーチアトリエ(大阪市北区天神橋3-9-9)
参加料:無料

震災と支援のお話:15:00-15:30
草郷孝好先生(関西大学社会学部社会システムデザイン専攻教授
水俣からスタートした地元学のお話や、そこから得られた教訓を震災復興に生かしていく方策などを、スライドを交えながらお話していただきます。


ミニ・ニットカフェ:参加記念のミニポーチのキットをプレゼント


後援:関西大学・STEP
HP http://www.kansai-u.ac.jp/rakusai/ 





大きな地図で見る

西天満でランチを! - 超絶コスパ!「Rib」の10食限定フィレステーキランチ1,000円也☆
     

さて、相変わらず、南森町公園の北西にある西天満公園周辺のランチを集中的に攻めまくっとります。

イタリアンもそこそこ行ったし、老舗の和食系のお店もまわったし、あとはしょぼそーなのしかないのかなー、と、いつもスルーして後回しにしていたお店に行ったのでした。
喫茶店かな?と、ずーっと思っていたのだけれども、よく見たらステーキ屋さんだった(笑)

「Rib」ってお店です。

Rib


ラインメニューは、
焼肉 1,000円
サラダ風焼肉 1,000円
チキン照り焼き 1,000円
ポークステーキ 1,000円
ミックスグリル 1,000円
シーフードグリル 1,000円
牛ヒレカツレツ 1,650円
牛ヒレステーキ 2,100円

この界隈の標準価格1,000円が軒並み並んでいて、どれにしようかな〜、と、思案していたところ、
このメニューの横に、

日替わり特別ランチ(チキン・海老・ウインナーミックス焼き) 900円
サービス10食限定 ヒレステーキ 1,000円

というのがあるではないですか!
で、もちろん、迷わずヒレステーキを☆

ほいで、店内に入ると、長〜いカウンターがあって、その前は鉄板で、ちゃーんとしたどころかそこそこ高級なステーキハウスではないですか! 目のまえの鉄板で焼いてくれるやつです。
や、ちょっと見くびりすぎてました。
僕、アロハとか着てるんだけど(笑)
他のお客さん、スーツ着た5人組のエラいさんとおぼしき集団が、昼間っから3,000円くらいのコース食べてはります。どうやら、そういうお店。

Rib


1,000円のサービス10食限定ヒレステーキは、こんなのです。

まず、スープとサラダが登場。

Rib


ほいで、目のまえで焼いてくれたヒレステーキ☆
極上のレアに焼かれてます〜。
ジューシーで、めっちゃ柔らかい☆
ほいで、付け合わせの野菜が美味い!

Rib

Rib


さらに、デザートとコーヒーがつきます☆

Rib


以上、〆て1,000円也〜。

いやいや、なんちゅーコスト・パフォーマンス!
これで1,000円というのは、ちょっと信じられんです〜。さすがは限定10食。究極のコスパです☆

至福のときとは、このことですな!
どの時点でなくなっちゃうのかわかんないけど、まあ、12時までに行けばダイジョーブかと。

西天満、まだまだ奥が深いです。。。




→「西天満でランチを! まとめ」




ステーキハウス Rib(リブ)
大阪市北区西天満5-6-10 富田町パークビル1F
tel. 06-6316-1129
11:30-14:00 17:00-22:00
日祝休み


より大きな地図で 西天満でランチを! を表示

天六にゼンジー北京と横山ホットブラザーズを見にいく
北区名人会

先週末のことになるのだけれども、5月21日、土曜の夕べ、「東日本大震災被災者支援チャリティー寄席 北区名人会」が、天六の住まい情報センター(くらしの今昔館のあるところね)にて開催されたのでした。

主催したのは、北区社会福祉協議会。地域の活動でちょくちょくお世話になっているところで、4月中旬にはこの話を聞かされていて、どどーんとチラシも渡された僕なのでした。(チラシを配り切るのが大変だったぞ、オイ!)

福祉団体が開催するイベントというのは、理念はいいんだけれどもおカネや知恵が不足していてクオリティが低い、というのが、かつては通り相場でした。少なくとも、遠くから眺めてきたかつての僕の印象では、そうだったな。
でも、今は、違いますね。そうでもない。

おカネも持ってはります。
まあ、おカネは二の次でいいけれども、肝心の、知恵をたくさん持ってはりますね。そこへ元々の原動力となっている情熱があるのだから、クオリティの高いイベントが多いです。

それだけじゃないな。
イベントであれ事業であれ、どこかと組むことが多いけれども、ちゃんと、win-winの関係を考えながらコトを進めるし、企画の意義や意味がブレないところがいいです。

持っているおカネを有効に使うことだけを考えればいいわけで、利益を生み出さなければならないわけではないから、大人の事情的なバカバカしい有象無象に巻き込まれることが少ないんだと思います。
その意味では、NHKに似てるかもね。
視聴率競争、つまり営業をしなくていいい代わりに、そこそこリスクを伴うことでも、目指すリターンを獲りにいけます。だから、実験的な試みもできます。

さらに、大人の事情的なものが少ないぶん、企画発案当初にあるはずの意義や目的が、最後までぶれないケースが多いようにも思います。
つまり、ひとつの企画にたくさんの人の手が突っ込まれた挙げ句にグチャグチャにされてしまった、というケースは、あまり見ない。

ターゲットが明確になっていると思われるものが多いので、わかりやすさがあります。

さらに付け加えておくと、僕がお付き合いさせていただいている範囲内では、福祉といって妙な正義感を振りかざしている人もいないので、特有の暑苦しさのようなものがありません。

ということで、僕、北区の社会福祉協議会がかかわるイベントには気になるものが多くて、ちょくちょく参加させてもらってます。

冒頭の「東日本大震災被災者支援チャリティー寄席 北区名人会」なんて、その好例だったな。

ラインナップは、こんなのです。

横山ホットブラザーッズ
ゼンジー北京
青芝フック
タージン
田渕岩夫
若井りき・ゆうき
喜味家たまご
幸助・福助
レモンスカッシュ
華鰹

の10組。
これ、1,500円です。

芸人さんももちろんボランティアで出られているので、この1,500円は義援金にまわります。

大御所以外は、名前も顔も売れていない人が多いように見えるけれども、違いますね。
舞台を主戦場にしている人がほとんど。
僕は、M1グランプリで出世してバラエティで遊んでいるような芸人なんて、芸人でもなんでもないと思っています。楽屋落ちと一発ギャグのお手軽な芸ともいえない芸で遊んでいる人たちではなくて、やっぱ、お客さんと向き合ってお客さんに鍛えられている、舞台を主戦場としている芸人の芸が、好きです。

テレビはお金払わなくてもいいけど、舞台は木戸銭がいるから、やっぱ、シビアですよね。

そういうところで鍛えられてきた芸人たちが、たくさん出てました。
トップバッターの華鰹やレモンスカッシュなんて、コンビ名からもわかるとおり、オーソドックスな漫才をするけれども、でも、上手いですわ。
お客さんは年配の人が多いんだけれども、年配の人をキッチリ笑わせます。
若い人が若いお客相手に笑わせるのはそう難しいことではないけれども、若い人が年配の人を笑わせるのは、簡単なことではない、と、僕は思いますな。

喜味家たまごさんは、妙齢の美しい女性で、三味線抱えて和服を粋に着こなして、小股の切れ上がった、という表現がピッタリの芸人さんです。
僕、彼女のことは全然知らなかったけれども、都々逸に艶話をのせて、いいかんじで笑わせてくれますね。芸達者です。
じつは彼女、いとしこいしのいとし師匠の娘さんなのだそうです。なるほど〜、と、膝を叩きたくなる筋のよさの理由が、その血筋を聞いてわかりましたわ。
テレビに出ないから知られてないけど、そういう芸人を見ることができるって、しかもそれがチャリティ寄席だってところがね、すごいです。

物真似大御所の田渕さんだとか、ゼンジー北京、横山ホットブラザーズなんてのは、もう、無形文化財の粋ですよね。
こういう人たちを、それこそテレビは取り上げてくれないから、舞台まで足を運ぶしかないんだけれども、そうそう舞台に足を運んで入られない僕たちからすると、これは貴重な貴重なラインナップですわ。

ちなみに横山ホットブラザーズは、なんと、地元も地元、天満の管北小学校の出身なのだそうです。
そういう話も含めて、地元にちなんだ枕も用意した舞台で、なんとも貴重なものを見ました。

もちろん、のこぎり奏でる「お〜ま〜え〜は〜ア〜ホ〜か〜」も!
これこそ、まさに無形文化財☆


いやー、いい舞台でした。
チャリティに甘えずに、貴重なラインナップを用意し、それ以外のところは簡素にすませる。さらに、ターゲットを明確にしている点。

こういうイベントがどんどん増えていけばいいな、と、なかなか幸福な気分に浸りながら、月夜を歩いて帰ったのでした。



西天満でランチを! - 「Vege Bar Dips」食材のこだわりはあたりまえ。ここのアピールポイントは、コスパがいいことだと思う!
今月のランチは、もっぱら南森町の交差点から北西にかけてのエリア、西天満公園周辺のお店のランチを攻めてます。
まだまだ行きます!

今回行ったところは、野菜ソムリエがいるという、野菜や食材にこだわった洋食居酒屋さんの「Vege Bar Dips」

Vege Bar Dips

なんか、このあたりはほんまに有機野菜がどうたらとか食材にこだわったとか、そういう能書きが引っついてくるお店が多いです。
食材にこだわった、というのは、わざわざ訴えねばならんことなのですかね? 普通に、あたりまえのことだと思うんだけれども。。。他にアピールする材料はないのかしら?

まあ、よろしい。
「Vege Bar Dips」のランチメニューは、こんなのでした。

ディップスランチ(日替わり) デリ3品セット 780円
ディップスランチ(日替わり) デリ5品セット 880円
特製ハンバーグランチ デリ3品セット 780円
特製ハンバーグランチ デリ5品セット 880円

ハンバーグは野菜ソースで食べるそうです。
デリが5品用意されていて、3品チョイスと5品チョイスで100円の差があります。どちらもアフターのドリンク付き。
最近、西天満で1,000円ランチばっかり食べてたので、これ、メチャクチャ安く感じます。
まあ、実際、アフターついてこの価格なら、安い部類かと。

んで、節約も兼ねて、
ディップスランチ(日替わり) デリ3品セット 780円
にしました。

デリは日替わりで、この日はこんなの。
1)鹿児島産 有機かぼちゃのココナッツミルク煮
2)徳島産 みょうが新しょうがのあんかけ豆腐
3)和歌山産 有機ブロッコリーの胡麻和え
4)京都産 有機ホウレン草のトルティージャ
5)京都産 有機水菜とエンダイブのサラダ

2、4、5をチョイスしました。

こんなかんじになりました。

Vege Bar Dips

Vege Bar Dips


ゴハンはどうやら五穀米で、これも日替わりでいろいろあるらしいです。
みそ汁もついてきました。あ、みそ汁の具はオクラだった。

ビフカツにのせてあるおろしポン酢の盛り方のセンスはイマイチだと思うけれども、味は、いけます。
あんかけ豆腐もトルティージャもサラダも、美味い☆
普通に、美味いです。
だから、いちいち有機野菜だとか○○産とか、要らない。
和歌山産のブロッコリーと言われて、おー!和歌山産なのか!となる人って、いるんだろうか?
こんな情報、どこの誰にニーズがあるのか、僕、さっぱりわかりません。

だから、能書きはいいです。
でも、味はいけますよ、ここは。ほいで、ゴハンのおかわりできます!それでアフターのドリンクがついて780円〜なら、ここは安い部類に入りますわ。普段使いにできますな。
デリが毎日変わるようなので、通っても飽きません。

まあ、女子率が異常に高いので、オッサンひとりだと行きにくいけれども(笑)



→「西天満でランチを! まとめ」



「Vege Bar Dips」
大阪市北区西天満5-11-4
tel. 06-6131-0266
11:30-14:00 17:30-24:00
日休み
HP http://www.medic-web.jp/shop/s10002659/


より大きな地図で 西天満でランチを! を表示

西天満でランチを! - 料理旅館的情緒の「にし富」の日替わり定食「すき焼き」700円也☆
南森町交差点の北西あたりにある西天満公園周辺のランチ事情、まだまだ続きます。
このあたり、ほんまになんぼでも美味そうなお店がありますわ。

今回は、日本料理・めん処の「にし富」

創業何年か知らないけれども、年季の入った店構えです。なんか、どっかの観光地にありそうな面構えです。
これはもう、ハイレベルで美味いか、老舗の暖簾にあぐらかいて目も当てられないような味になってるかのどちらかです、経験的に言って。中間は、きっとない。
でも、続々とお客さんが入っていくので、おそらく、当たり☆ですわ。

にし富


という具合に読んで、暖簾をくぐったわけですよ。この時点で、期待値、かーなり高いです。
なかに入ってみると、だーっとテーブルと机が並んでいて、老舗旅館の大広間みたいです。や、座敷じゃなくて、テーブルとイス、間仕切りもちゃんとあるんだけれども、建物の年期の入り具合と広ーい空間が、そういうのを連想させます。ちょっと日常から離れたかんじの異空間。
要するに、料理旅館的風情ですわ。宴会で使うようなところ。


お昼の定食は、こんなかんじです。

カツとじ定食 850円
親父丼 700円
天ざる 1,000円
煮込みうどん(そば)定食 800円
造り定食 1,000円
鰻丼定食 1,000円
日替わり定食 700円

で、本日の日替わり定食が、

牛すき焼き風定食 700円

すき焼きじゃなくてすき焼き風なのだけれども、700円です!
これ、行くしかないですね(笑)

安いんで、ちょっとそこが気になったのだけれども、出てきたのは、これですよ、これ!
これ、ほんとに700円?

にし富

天カス入ったハイカラうどん(そば)
ごはん
牛すき焼き(風)
ヒジキの炊いたん
お新香

ほいで、テーブルにある梅干しが食べ放題です☆

うどんは、大阪のうどんで、安心できる、どこまでも優しい味ですわ。ダシが上品です。

すき焼きは、これですよ!

にし富

ひと通りの具材が入ってます。温泉玉子付きね。
お皿に入ってるから「風」とつけてあるだけで、ほどよい甘辛さがいい具合のすき焼きですわ。ひつこくないから、なんぼでも食べられます。

いやー、これで700円は、間違いなく安いな。

お店は、スーツ着たオジサンからOLのおねえさんまで、大半はビジネスマンだけれども、年齢層は幅広いですね。その意味で、老舗だけど間口は広いです。

イタリアン激戦区だけれども、こういう老舗の和食がしっかりと存在感を示しているのも、このエリアのすごいところです。



→「西天満でランチを! まとめ」




日本料理・めん処 にし富
大阪市北区西天満5-10-8
tel. 06-6361-2330
11:00-14:30 17:00-22:00
日祝休み


より大きな地図で 西天満でランチを! を表示

天神橋にある夫婦橋に隠された悲恋の物語
南森町の交差点から北へ、扇町へ抜ける道、阪神高速下の道だけれども、あのあたりは、かつて天満堀川があったところです。今でこそ埋め立てられて影もかたちもないけれども、扇町の交差点のところがバイパスになっていて、下を潜っていくあたりには、ここに川があったんだろうな、薄く感じることができるかと。

本能寺の変のあとに、太閤さんが信長の遺志を継いで大阪城の築城をはじめるころ、築城とともに城下町を整備するために街区を整えていったんですね。
このときに、現在の菅原町から扇町公園付近まで、天満堀川が掘られたわけです。物流のための運河ですな。1598年(慶長3年)のこと。
大川(旧淀川)に荷揚げさせた日本中からの物資が、小分けにされて、天満堀川を伝って運ばれていった、と。逆もまたしかり。

かつては船が通い、堤には花が咲き、天満の繁栄には欠かせない運河だったらしいです。
でも、堀川は、大川の水勢に押されていつも濁水が停滞し、堀留の西側にはゴミが積み上げられて、ゴモク山なんて呼ばれてました。
そこで、1838年(天保9年)、大塩平八郎さんが大暴れしたあとのことだけれども、被災者救済や失業者対策事業の一環として、今の樋之口町あたりで流路を拓く工事が行なわれてます。淀川と直接結ぶことで、濁水の停滞を解消する、と。これ、現代の公共事業とおなじですね。

これで水の流れがよくなって、「摂津名所図会大成」には、
清水通じ、その潔きこと、言語に絶す。堤には柳、桜を植えつらねて風景を増し、船の行き来も自由になり、花の頃は人々が観賞に集まる。むかしのことを知る者は、本当におなじところかと疑うばかりの景地
と書かれてます。

埋め立てられたのは、1972年(昭和47年)。交通対策を目的として埋め立てられているところから、輸送手段が船から車にとって代わったことに対応した、ということです。このとき、天満堀川は、370年の歴史に幕を閉じました。

下流から上流に向かって、

太平橋
樋上橋
菅原橋
樽屋橋
天神小橋
堀川橋
溝之側橋
寺町橋
綿屋橋
扇橋
夫婦橋
北辰橋
堀江橋
樋之口橋
と、14の橋が架かっていたといいます。

残っているものもあるし、跡碑だけが残っているものもあるけれども、こうした橋の名称を見ていると、当時の町名が偲ばれます。

なかでも一番有名なのは、きっと、夫婦橋です。

天神橋筋商店街の3丁目と4丁目を分けるところ、ミスドのすぐ北側にある横断歩道が、じつは、かつて橋だったところで、今は、欄干が復元されています。ここ、元は扇橋と言ったみたいですね。
商店街の、ほぼ中間に位置しています。

夫婦橋



ここには秘められた物語があります。
江戸時代の慶長年間以前、この地には、朝来池と呼ばれる池がありました。

上田秋成の「雨月物語」のなかの「浅芽が宿」のなかに、
「さりともと思う心にはかられて、世にも今日までいける命か」
と、あります。
これは、夫婦の純愛物語で、旅に出た主の帰りを待つ女房が苦難のなか、ひとりで生きてきた末に、それでもいつかはきっと帰ってくるよと待ちわびるわが心に欺かれて、よくもまあ今日まで生きながらえてきたものだ、という意味で詠んだものです。
で、そのように書き添えて散った人妻を哀れに思った老人が、そのしたためられた紙片を、往時、女夫塚(夫婦塚)に添えたのでした。

その後、朝来池がふたつに掘られて女夫池(夫婦池)と名付けられたのでした。
女夫、と書いて、めおと、と読みます。大阪では明治時代まで、夫婦のことを「女夫」と書きました。法善寺の夫婦善哉も、元はこの字ですな。

1838年(天保9年)、天満堀川を今の扇町公園付近から樋之口町まで延長したとき、この池を利用して東西の河道を拓き、女夫池は夫婦橋にその名残りを留めて、今日にいたっています。

明治の中頃までは、その河岸は、木村堤と呼ばれる桜の名所で、浪速百景のひとつに数えられていたとのことです。
また、夫婦橋のそばにある妙見山の丑の日の縁日には、参拝客が往来し、えらいこと賑わったとか。

現在は、埋め立てられて普通の道になっていて、そこが橋とは気付かんでしょうが、天神橋筋商店街が大阪市に陳情して、欄干が1999年に復元されています。

欄干の竣工式は、どえらいこと揉めたらしいけれども、ま、それはまたべつの機会に(笑)

あ、橋からすぐ北にある、粟おこしの「夫婦橋 大清堂」さんの入口のところに、夫婦橋の跡碑が立てられています。

夫婦橋




夫婦橋
大阪市北区天神橋4





JR大阪駅北側が賑わい、駅前ビルは独特の存在感を増す。「酒肴舎 桜百番」にて。
こないだ、大阪駅前ビルの商店会長さんたちと飲んでました。飲むといっても、僕はウーロン茶だけど(笑)

JR大阪駅周辺が賑やかになってきて、駅の南側のエリア、特に駅前ビルの客足が心配されとります。
阪急百貨店の2期工事も難航中でリニューアルオープンの延期が必至だし、新鮮なネタがないのは事実。

でも、駅前ビル独特の空気感は好きだし、個性的なお店もたくさんあります。
特に、あの、ちょっとイケてないかんじの、どことなく落ち着く独特の空気感は、周辺が最新施設にリニューアルされればされるほど、存在感を増していくと思うのですよ。
危機感はあるけれども、集客のための資源もあるのだから、それを生かしていこうよ、なんてことを話してました。

そんな話を、会えばしていて、こないだ、商店会長さんに、お昼に連れていってもらったのでした。

駅前第4ビルにある「酒肴舎 桜百番」ってお店です。
こんなお店。

桜百番


ビルのなかに、暖簾を掲げた居酒屋があるって、よくよく考えたら、なんともシュールな光景です。
見慣れている風景だし、なんてことない風景だけれども、周辺エリアが最新版に衣替えしてるから、シュールに見えてしまうという不思議なマジック(笑)

メニューを見てると、夜はやっぱ、酒飲みの心をくすぐるような美味そうなアテがたくさん並んでいるのだけれども、そういう店がお昼のランチをやってくれると、これはもう、例外なく美味いですよね。
だって、酒のアテは、ゴハンの友でもあるからね。

お昼、めちゃくちゃ入ってます。
でも、ビジネス街のど真ん中ってだけじゃないと思いますよ。

だって、これ、日替わりの定食が、850円。
ゴハン、おかわり自由ですわ。品数がメチャクチャ多いです。

桜百番


こっちは蒸篭蒸し定食。やっぱり850円。

桜百番


これ以外にもいくつかの定食があって、どれも毎日食べても飽きの来ないものばっかりで、この界隈でお昼を食べる人は、もう、このお店をデフォルトにしてる人がたくさんいるんではなかろうか。。。

こういう「酒肴舎 桜百番」のようなお店は駅前ビルにはたくさんって、でも、最新版にリニューアルされた周辺の施設には、こういうお店は皆無ですね。

その意味でも、この手のお店は、存在感を増し続けると、僕は思うな。



酒肴舎 桜百番
大阪市北区梅田1-5 大阪駅前第4ビルB2F
tel. 06-6345-1888
11:00-14:00  17:00-22:00
日休み


大きな地図で見る

撤収ーっ!
写真コンテスト

「キタのむかし・いま・みらいを、感じる写真コンテスト」、12日間にわたる公開が終了しました。
本日、撤収作業も無事に終了。

展示後半は天候にも恵まれて、たくさんの方に来ていただいたし、たくさんの方からの反響もいただきました。

応募してくださった方、ご覧になられた方、ほんま、ありがとうございました。



以下、まったくどうでもいい蛇足です。

で、今さらですが、どうやら、この展示は、大阪府の屋外広告条例に抵触する可能性が、ないことはない…、という微妙なところだったことも判明しました。

でも僕は、事前に、関係各所、考えられるすべての部署に問い合わせたぞ!
そして、すべての部署が、ウチの担当ではないです、と、返答されたぞ!

仕事上で行政とかかわりを持たねばならないとき、どーも、こういうケースが多いです。
こっちは前例のないこと、新しいことこそをやろうとするから、余計に、こういうケースに遭遇します。
前例がないから窓口になれない、なんて理由で追い返されることもあるし。

法律が出てくるのであれば、どの窓口が受けてくれるのか、そういうのを案内してくれるコンセルジュさんのようなものがいたらいいのにな、と、ちょっと思いましたな。




板東英二氏と大阪駅前第4ビル振興会、それぞれのやりかたと、繋がるということ
天神橋筋商店街の3丁目、ミスドと南森町の交差点のあいだのところですが、土井陶器というお店があって、そこの角のところに、毎週末の土曜か日曜、板東英二さんが立ってはります。

それも、ひとりで。
テレビカメラとか、まったく入ってないですね。最初こそマネージャーさんらしき人もいたけれども、それ以降はいつも、たったひとり。
募金箱を持って、被災地の支援を呼びかける寄付を募ってはります。

毎日のようにこの場所を通ってるので僕は気がついているけれども、マジでメディアが入ってないので、通りすがりの人以外、誰も知らないです。

えらいなあ、と、思う。
売名にしてないところもエラいし、ずーっとやってはるところもエラいし、ひとりでやってはるところも。
頭が下がりますね。

こないだ、近くのキムチ屋でバッタリ遭遇したんで、少し話してみました。

板東さん、エラいねー。毎週立ってるもんね。
「いやー、商店街の会長さんと約束してね。100万円集まるまでやるよ!」
だいぶ集まった?
「うん。あと1回くらいで集まるんとちゃうかな」
何回も立ったもんね!
「名古屋の松阪屋の前でも募金やったんやけど、名古屋は札を入れてくれる人が多いね。でもここは、小銭ばっかりで、募金箱が重うてしゃーないわ〜」
わははは。名古屋は景気いいらしいからね。
「募金してくれた人にはお土産わたしてるんやけど、あれ、350円するねん。だから赤字やわ(笑)」
そんなんわたさんでも寄付してくれるよ。
「うん。そんなんわたすんやったら、僕が100万円寄付したらえーやん、って話もあるんやけどね」
それは違うわ〜。みんなの寄付を集めるから、えーんやんか。
「せやろ。僕もそう思てな、立ってるねん」


統一地方選挙が行なわれていたとき、ありとあらゆる政党や候補者が、募金活動と称して、街頭に立ってはりましたな。
あれ、どれもこれも政党の幟を立ててたので、政党の幟を下げてくれたら募金してもえーねんけどな、と、ずっと思ってました。だって、売名行為にしか見えへんもん。

選挙が終わった途端、まー見事にキレイさっぱり、あの人たちはいなくなりましたわ。
選挙が終わってからこっち、街頭募金で立ってる政党も政治家も落選した立候補者も、僕は、誰ひとり見たことがありません。ひとっこひとり、見ない。
売名行為というより、就職活動やったんやな、あれは(笑)

あの人たちの募金箱に、1円でも入れんでよかったです。
僕、地元の政治家は顔見知りなんで、街頭募金しているところを通るたびに募金を執拗に呼びかけられたけれども、上等の笑顔だけ振りまいて、いっこもおカネ入れんかったです。あんなところに募金する気なんて、さらさらない。せんでよかった。

社会鍋なんて古いものを持ち出して募金活動をしていた政治家もいたけれども、あんなもん社会鍋でもなんでもなくて、せいぜいが一人鍋です。鍋ですらなくて、単なる煮物ですな。それも、できの悪い。

でも僕、板東英二さんの抱える募金箱には、毎度毎度、ちっこいおカネやけれども、必ずなんぼか入れさせてもろてます。チャリーン!ってやつやけど。
だって、純度100%の善意でやってはるのが、わかるから。
芸能人やのに、テレビにも新聞にも知らせず、ひとりで、毎週やもん。僕が目撃してるだけでも、5回くらいは立ってはります。
僕は、有名人の募金活動は、宣伝したらいいと思ってます。世論喚起になるし、たとえ売名であっても、その人のファンがつられて募金するかもしれないし、宣伝する意味はあると思っています。
でも、板東英二さんは、宣伝しませんね。もちろん、宣伝しないのもひとつのやりかたで、その奥ゆかしさや恥じらいや誇りや謙虚さ、すべてに好感持てます。や、好感じゃなくて、頭が下がります。
板東英二って、しょーもないタレントやと思ってたけど、僕、大きく見直しました。
たったひとりで、ひっそりと、ずーっと。生半な心持ちでできることじゃないです。

ブログに書きたいから写真撮らせて、ってお願いしたら、アカンあかん!って。
募金した人とは気持ちよく記念撮影に応じてはるけれども、そーゆーのはやめて〜、って。
わかりました。でも、テキストでは書かせてもらうからね☆


さて、JR大阪駅が北側を中心に賑わってる今、南側の大阪駅前第4ビルのお店でつくってる振興会では、理事長さんが中心となって、被災地に支援物資を送ってはります。

振興会の理事長さんでもある手芸屋の大阪サンセイさんと靴下専門店copoさんが、それぞれ、業務用タオル720枚と紳士靴下400足、婦人靴下600足を用意されたのでした。

先月の上旬には、靴下を送りました。
今回は、タオル。

靴下を持っていったときのエントリーはこちら。

「斉藤和義と大阪駅前第四ビル振興会、それぞれのやりかた。誰でもきっと、出番はある☆」


皆さん、日ごろの商売で築いてきたネットワークを生かして、役立ちそうなもんを仕入れてきはります。

それをね、大阪市がマッチングしてくれるんです。
個人からの5品目の支援物資を募集したものは、今、ダブついていて、大阪市もどんくさいなあ、と批判されたりもしていたけれども(今はダブついてるけど、長い目で見たら、あれはきっと全部はけます)、一方で、企業や団体から提供される支援物資は、被災地と連絡をとりあって、マッチングしてくれてます。

たとえば、タオル760枚を送らせてもらいたいんやけど、と、大阪市に申し出れば、大阪市が支援を集中して行なっている釜石市に連絡をとり、タオル760枚を必要としている避難場所を探してくれます。
で、ほしい!と、手を挙げてくれるところが見つかれば、僕らは大阪市の指定する場所へ物資を持っていきます。そうやって集められたマッチング済みの物資を、大阪市が10tトラックに積んで届けてくれます。

先週、大阪市から連絡があり、昨日、指定場所の大阪城ホールへ持っていきました。
振興会の理事長さんと一緒に、大阪城ホールまで持っていきましたよ。

物資はそこからさらにインテックス大阪に集められて、明日、10tトラックが釜石市へ向かってくれます。

支援物資

支援物資


ほいでね、じつはメッチャクチャ嬉しいことがありまして。
被災地の南三陸にいらっしゃる方が果敢にもブログを開設されてます。
そこにね、「来たよ!来ました!大阪市から!」と題されたエントリーがアップされていて、そのエントリー記事には、「大阪市災害対策本部」の横断幕を掲げた10tトラックの写真が載ってるんですよ。

こんなのです。

南三陸ホテル観洋から明鏡止水「来たよ!来ました!大阪市から!」


大阪市に物資を託したとき、物資の入ったダンボールに、区分け用に指定された用紙を貼りました。その、僕らが貼ったものとおなじ用紙が貼られたダンボールが何個も何個も届けられている模様が、アップされてるんです。

ブログのエントリーの日付を見れば、おなじダンボールでも、僕たちが送ったものではないでしょう。
でも、この風景は、こうやって何度も何台もピストン輸送してくれた証のヒトコマであって、このようなトラックの荷台のひとつには、僕たちが大阪市に託したものがあったはずで、それがこうやってたしかに届けられて、しかも、届けられたことを報せてくれる被災地の人たちがいる。
繋がってるんや!と、熱く実感できた瞬間でした。


瓦礫のまちの道には、標識ひとつないそうです。おまけに仮橋をわたれない10tトラックは長い長い迂回路を通って、デコボコの荒れ地を抜けて、クラッチが焼け焦げる匂いも漂わせて、満身創痍になりながらも、たしかに届けてくれている。

そのたしかな事実や、思いが、まわりまわって、託した僕たちにこだまするように返ってくる。
繋がってるやん!
繋がってるって、そういうことやん!
繋がってるってことを実感するって、ものすごいエネルギーもらえるやん!

じつは、大阪駅前第4ビルの振興会は、震災が起こった直後から、もっとも早い段階から、支援活動に乗り出してます。
それも、いっかいこっきりじゃなくて、機会を見つけて、機会をつくって、何度も何度も、できること、やらなあかんと思っていることを、やってはります。
今後、チャリティーバザーを企画していることも、今日、教えてもらいました。


こういう姿に触れていると、政治家ってなんやろ?と、思ってしまいます。
そりゃ、政治家の仕事は募金活動をすることじゃなくて、もっと大きな効果をもたらすもの、復興のための効果的な仕組みをつくったり、法律をつくったり、さまざまな調整をしてもらわないといけない。
大きなことをしてもらいたいために、僕らは、彼らに権限を付与しています。付託しています。ひとりひとりの小さな力を託して、束ねてもらって、大きな力として使ってもらうために、僕らは、彼ら政治家に権限を与えています。

だから、ちっちゃな募金なんてしなくてもいい。
でもな、選挙期間中、声を枯らしながら募金を呼びかけていた者どもが、選挙が終わったその瞬間から、誰もいなくなるなんてのは…。
百歩も千歩も譲って、100が1になるなら、まだいい。でも、100がゼロになるなんてのは、心根が腐りすぎている。
売名があってもいいけれども、善意を上まわるなにかによって行なわれる募金活動などというのは、詐欺とおんなじです。
ましてや、100がゼロになるのだから、善意はこれっぽっちもなかったのでした。
詐欺を行なっておいて、もっともらしそうなことを口にしているあの者どもは、恥を知らない、利がほしいだけの、獣とおなじです。

人ではないものには、なにも託せない。
人ではないものとは、繋がれません。

僕は、これからもずっと、大阪駅前第4ビル振興会の人たちや板東英二さんたちのいる場所で、生きていくつもりです。
やれること、やらなければならないと思うことを、粛々と、そして繋がっているという実感を持ちながら、やっていくだけです。





大阪駅前第四ビル振興会
http://osaka.atcity.jp/store/store_list.asp?area_point=3&area_num=9



1/3PAGES >>
▲page top

pagetop
Copy Right(c)2009-2011 Joe's Garage inc. Asakaho Luis Ryuta All Rights Reserved.