10月15日、先週の金曜、鞍馬の火祭りに行ってきました。
毎年毎年、行きそびれていて、というか、行き忘れていて、毎年毎年、来年こそは!と誓いながら何年が経つのか…、そしてついに今年、念願叶って行ってきたのでした。
行くとなっていろいろと調べてみたら、アクセスが2両編成の叡山電鉄一本しかないせいで、道中、激混み。というか、そもそも電車に乗れるのか?というような脅し文句がいたるところで散見されたうえに、帰りもままならん、と。
さらに、深夜に及ぶ夜の山。寒さ対策は必須だけれども、昨今の気温ゆえに、どんな気温になるのかもよくわからず…。
で、いろいろとリサーチした結果、叡山電鉄始発駅の出町柳駅は入場規制がなされていてホームに入るのもままならんので、そこから鞍馬に向かう途中の修学院駅から乗る、という方法を選択したのでした。
これが、アタリ☆ そりゃ電車はおしくらまんじゅうだったけれども、来た電車に待つことなく乗り込むことができたのでした。
おしくらまんじゅうさ加減がエグイと聞いていたんだけれども、朝のラッシュ時の御堂筋線の車内よりマシですね。
さてさて、当初は不安視された、そもそも辿り着けるのか?という命題も無事にクリアして、鞍馬到着です。
そりゃ混んでるけど、まあ、祭りだからね。天神祭だって、そんときは激混みです。
なんにせよ、道は一本道だし、細いし、こんなかんじで混み合っております。
んで、鞍馬の火祭りなんですが、wikiにシンプルにまとめられております。
940年(天慶3年)、平安京の内裏(宮中のことね)に祀られている由岐明神(由岐神社)を都の北方の守護として、また当時頻発した大地震や争いなど相次ぐ世情不安を沈めるために、朱雀天皇の詔により鞍馬に遷したのでした。
このとき、鴨川に生えていた葦を篝火として道々に点灯したほか、遷宮の行列は1kmにも及んだとのことです。その壮麗さに感激した鞍馬の住民がそのできごとと由岐神社の霊験を伝えるためにはじまったものが起源らしいです。
カリスマ的な存在だった醍醐天皇が亡くなり、平将門の乱などのクーデター未遂事件があり、さらには大地震などもありで、都が騒然とし、都の北方鎮護(鬼門の守り)と天下泰平と人民守護が急務だった、ということです。
そのための国家レベルでのセレモニーとして、宮中に祀られていた由岐神社を鞍馬に遷したわけです。派手に行列をつくって遷社したので、これに鞍馬の人たちが感激して、このことを後世に伝えるのと、由岐神社の霊験を護ることを目的として、火祭りを行なっています。
ま、鞍馬はもともとが、暗魔、つまり魔王の棲む場所でもありますからな。
最初は道々に小さな篝火を焚き、小さな松明を持って神輿と鉾とともに鞍馬街道を練り歩く程度のものだったらしいのだけれども、江戸時代末期あたりから、神楽松明、大松明などのでっかい松明が登場するようになり、現在のかたちになっていったといいます。
今や、大小500本の松明が織りなす勇壮な炎の舞、といった趣です。とても幻想的。
道のあちこちに篝火が焚かれて、のっけから雰囲気満点です。
薪がなくなると新しいのを足していくんですが、そんときにあがる火の粉も、いきなりド迫力です。
ときおり、松明を持った氏子さんが通り過ぎていきます。
この人は、祭りの総代?
最初は小さな松明が通り過ぎる程度で、デッカイ松明はいつ登場するのかな?と思っていたら、とんでもないのが登場して、度肝を抜かれましたです。なんちゅーでかさ!人が5〜6人くらいで肩に乗せてるサイズのシロモノです。松明というよりも、どっかの大黒柱並みのサイズですからっ。
真横を通り過ぎていったとき、波動砲か!って思いました(笑)
鎧を着た武者らしき人も通っていきます。
すぐちかくに足場が組まれていたので、なにに使うのかなあ、と気になってはいたんだけれども、ここに巨大松明が立てかけられていくのでした。たまたますぐ目のまえにいたので、結果的に特等席に☆
こっからはもう、ド迫力の連続! スペクタル極まりないです☆
ミサイルでも打ち上げられるのかと(笑)
夜の山なので寒いはずなんだけれども、こんだけの火が目のまえで焚かれると、まったく寒くない。むしろ暑いです☆ さらに、火の粉、灰が夜空を舞いまくっていて、頭や身体に降り掛かってきます。運が悪ければ、火の粉で服に穴があいたりすることも…。
ちなみに、松明は文字通り松の木(根っこ)を薪にしてるんで、生木でも松ヤニのおかげで、勢いよく燃えます。そして、燃えるときにいい香りがします。
そうこうするうちに、小さな松明もこの場所に集合してきます。
大小の松明が集合すると、もう、わけのわからんことに! これはもう、火事です、火事(笑)
ほら!これを火事といわずして、なんとする〜!
さらに、せっかく立てかけたデッカイ松明が、今度は横に倒されて、しかも旋回します! 近くにいると、えらいことに!
さらにさらに、まだ火を足すから、火事が大火事に!(笑)
婦女子さんも勇壮に参加されてます。
そして男衆は皆、フンドシの出で立ち〜。
折しも、天空には満月が。炎をしたがえた地上の鉾と天球の輝玉とが、たがいに呼応しているかのようです。
いやいやいやいや〜、鞍馬の火祭りは京都三大奇祭のひとつと聞くけれども、奇祭かどうかはともかくとして、ド迫力の荒ぶる祭りであることは、まちがいない。
とんでもないです!
日本人が古来より持っている宗教観として、自然(=神)は、人間に恵みをもたらすだけのものではなく、荒ぶるもの、畏怖すべきものである、という認識があります。
火祭りは、そういうことを思い起こさせてくれるし、火というものは、元来が荒ぶるものなのだ、ということを、まじまじと再認識することができます。
とんでもない祭りでした。
やっぱ、鞍馬は原始の息づく場所ですな。
鞍馬の火祭り10月22日
京都市左京区鞍馬本町1073 由岐神社〜鞍馬街道
由岐神社HP
http://www.yukijinjya.jp/→
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