北区の伝統文化と職人展の第3弾が2月23日(火)〜3月5日(金)のあいだ開催されるのですが、それに先立って、2月20日(土)、
職人さん体験教室「天満の老舗味噌やさんの味噌を使ったお手軽料理をフレンチシェフに学ぼう」が開催されました。
職人展の案内は、区役所のサイトに。
期間中、いろいろとイベントが用意されてます。
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http://www.city.osaka.lg.jp/kita/page/0000069407.htmlさて、体験教室です。
僕が気づいたときは実習の募集はすでに終わっていたのだけれども、見学は自由だということなので、行ってきました。
会場の区役所は土曜日はお休みだから、横手にある通用口から入りました。そっから2階に案内されて…、なんと、区役所内に調理場があるんですね!知らんかったです。学校の教室程度の大きさの部屋に、キッチンやらシンクやら湯沸かし器やら、ところ狭しと配置された部屋に案内されたのでした。
ちなみにここは、保険師さんが使う、栄養指導室というところなんだそうです。区役所のなかって、いろいろありますなぁ。
体験教室に応募されて来られた方は、20人弱くらい。新妻さんからザ・大阪のオバちゃんまで、高校生の婦女子さんから料理好きのおとうさんまで、なかなかバラエティに富んだ構成です。
この体験教室では、大阪天満宮のすぐ南にある天満の老舗のお味噌屋さん
「とりゐ味噌」さんの味噌を使って、西天満のフレンチの名店
「西洋料理いまとむかし 井上義平」さんのシェフが、一風変わったフランス料理を教えてくれる、というものです。
冒頭、とりゐ味噌の若旦那さんから、お話がありました。
とりゐ味噌は、生類憐れみの令を出した徳川綱吉の時代、つまり元禄時代に創業してます。ということは、創業約300年!立派な長寿企業です。現在の大阪天満宮の正門からひと筋南の交差点に、かつては大鳥居があり、その大鳥居のたもとで営業されていたことから、「とりゐ味噌」という屋号になっています。かつて、そこは、鳥居筋と呼んでいたそうです。
若旦那の曾々おばあちゃんが、大塩平八郎の奥さんがよく味噌を買いにきた、と、おっしゃっていたんだとか。ちなみに大塩平八郎は正式に祝言を挙げていないはずなので、奥さんというのは同棲中の彼女だと思うのですが、ま、そんな話はどうでもよくて、つまりは、大阪の歴史を彩った舞台の風景に、とりゐ味噌はあったということです。
そういう歴史的なエピソードにこと欠かないとりゐ味噌なので、当然、ユーザーは今も多く、お客さんは北海道から九州まで、ホテルニューオータニ大阪から大阪の有名鰻店まで、とにかく、ユーザーの質が高いのが特徴です。
現在の若旦那さんは、当初、べつの道に進まれていたのですが、いろいろあって一念発起し、とりゐ味噌を継ぐことを決意。おじいさんから受け継いだ一子相伝の秘伝の技で、伝統の味を守られています。とにかくユーザーさんの質が高いので、まったく気を抜けない味噌づくりの日々を送っておられます。
そんなとりゐ味噌の若旦那さんから、早速、問題が出されました。テーブルの真ん中に置かれている3種のお味噌のテイスティングですわ。問題といっても、テイスティングしてみて、好きな味はどれか、というものです。
手前から、ABCの順に並んでいます。
Aは、豆味噌。とりゐ味噌のお味噌ではないのだけれども、大豆だけでつくった、木桶に仕込んで、天然醸造で4〜5年熟成させたお味噌です。
Bは、とりゐ味噌秘伝のタネ味噌。このお味噌をタネに、天然醸造で2年間熟成し、とりゐ味噌の看板商品である「とりゐ満天」をつくります。コクがありますわ。
Cは、スーパーで売ってるダシ入りの味噌。
テイスティングの結果、BとCが人気ありました。
ちなみにBは、それだけで味噌汁をつくると、とーってもまずいそうです。タネ味噌なので、他の味噌と合わせて使って初めて威力を発揮する、黒子的な役割を果たす味噌なんだそうです。製法は、若旦那の泉さんしか知らない、一子相伝の秘伝の製法で造られている味噌!
さて、今回は、とりゐ味噌の味噌を使った、フレンチシェフによる簡単フレンチの講習です。
用意されたメニューは、
「米赤出しを使ったドレッシング」
「上白みそを使った椎茸とエビのグラタン」
「とりゐ満天を使ったチーズフォンデュ」
の3種。
講師の先生は、
西天満小学校のちょい南にあるフレンチ、というか西洋料理の名店「西洋料理いまとむかし 井上義平」のシェフです。
「西洋料理いまとむかし 井上義平」のサイトはこちら。
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http://www.chef-inoue.com/伝統的なフランス料理の技法を忠実に守りつつ、先鋭的な料理に果敢にチャレンジしてくれる、温故知新をモットーとしている名店です。真っ赤なエントランスドアが目印☆
ユーモアたっぷりのシェフの講習は、話があっちこっちに飛ぶんですが、でもとってもわかりやすい。レシピ紹介だけじゃなく、普段の料理にも使えるちょっとしたコツをたくさん交えつつ、進んでいきます。
リンゴの芯をくり抜くときは、包丁の柄じゃなくて先を持つと、余分なところをくり抜かなくて済む、とか、香りづけ用のニンニクのみじん切りを炒めるときは、フライパンにオイルを引いて、火をとめてからニンニクを投入すると焦げなくてよろしい、とか、輸入物のリンゴやオレンジの皮を使うときは農薬がついているので洗剤であらうべし、とか、レシピにはまず載ってないちょっとしたコツをたくさん教えてもらいました。
僕も料理をするので、こうしたコツを教えてもらえるのは、とてもうれしい☆
でもおかげで、時間がとんでもなく押してしまって、主催の区役所の職員さんがかーなりあせっておられました(笑)
さて、料理ですが、ここで講習を再現するととんでもないテキスト量になるので、とりあえず、レシピを。
「米赤出しを使ったドレッシング」●材料(4人分)
タマネギ45g、皮付きニンジン60g、皮付きリンゴ75g、ニンニク1/2片、たまり醤油6g、はちみつ15g、リンゴ酢90g、麺実オイル150g、米赤出し30g、塩、コショウ、タバスコ少々、好きなサラダ野菜、トマト、ポーチドエッグ(または温泉卵)2個
●つくりかた
1)ニンジンとリンゴをすりおろす。
2)タマネギは包丁で細かくみじん切りにする。
3)味噌に調味料を入れ、ダマにならないようにのばす。
4)1、2、3をあわせ、塩、コショウ、タバスコで味を整える。
5)サラダ野菜、トマトにポーチドエッグを添える。
※ポーチドエッグは、卵を割ったものを油をひいたサランラップで包んで、輪ゴムでしばり、鍋にかけると4分くらいでできちゃいます。これ、カンタン☆
「上白みそを使った椎茸とエビのグラタン」●材料(4人分)
A)マヨネーズ90g、上白みそ120g、卵黄2個
ニンニク1片、ほうれん草1束、エビ12尾、椎茸2パック、赤ピーマン80g、枝豆40g、塩、コショウ、バター、オリーブオイル少々
●つくりかた
1)ほうれん草は2cm幅、赤ピーマンは5mm角、椎茸は一口大、枝豆は身だけにして1/2にカットする。
2)ニンニクをみじん切りにする。
3)エビは殻と背わたをとり、塩コショウする。
4)フライパンにバターを溶かし、ニンニクを炒める。香りが出たら、ほうれん草をさっとソテーし、とりだす。
5)おなじフライパンで、椎茸、エビ、枝豆、赤ピーマンを炒める。
6)材料Aをあわせる。
7)グラタン皿にバターを塗り、ほうれん草を敷き、5をのせ、そのうえにAをかける。
8)オーブントースターで4〜6分焼く。(オーブンなら予熱250℃の後、5〜7分)美味しそうな焼き色がついたらできあがり。
「とりゐ満天を使ったチーズフォンデュ」●材料(4人分)
日本酒300cc、グリエールチーズ150g、生クリーム90cc、とりゐ満天30g、水溶き片栗粉少々、シロップまたはメープルシロップ少々、温野菜(カリフラワー、ブロッコリー、ヤングコーンなど)、フライドポテト(または蒸したジャガイモ)
●つくりかた
1)日本酒を鍋に入れて煮切る。
2)チーズの擦りおろしを入れる。
3)チーズが溶けたら味噌を入れて溶かし、生クリームも入れて一煮立ちさせる。
4)水溶き片栗粉で軽くトロみをつけ、仕上げにシロップを少々入れる。
5)ソースが温かいうちに、温野菜、生野菜、フライドポテトにつけて食す。
こんなメニューです。
6人でひとつのグループをつくり、2人ひと組でひとつの料理を担当し、3組の6人で3つの料理をそれぞれ6人分つくる、という構成です。
若い婦女子さんもおとうさんもオバちゃんも、腕に覚えのある人も、そうでない人も、めいめいで包丁を握ったり、鍋で煮たり、楽しい楽しい料理体験のはじまりです〜。
でも、僕は見てるだけ〜(笑)
おとうさんも頑張ってます☆
おばあちゃん、さすがの包丁さばきです☆
高校生の彼女はチーズフォンデュのソースを一心不乱につくってました☆
シェフももちろん手伝ってくれます☆
米赤出しを使ったドレッシングが完成です☆
とりゐ満天を使ったチーズフォンデュのソースは、ちょっと時間がかかります。
上白みそを使ったエビと椎茸のグラタン。美味しそうに焼けました☆
手前から、上白みそを使ったエビと椎茸のグラタン、とりゐ満天を使ったチーズフォンデュ、米赤だしを使ったドレッシングで食べる野菜サラダ。完成間近です☆
さて僕はというと、なんとか試食にありつけんかな〜、と、目論んでいたんですが、時間が押しちゃって、しかも僕は次のアポが入っており、皆さんが料理している途中で退席と相成り、ごちそうを目のまえにして、空腹を鳴らしながら、仕事に向かったのでした。残念☆
なので僕、このメニューの味がどんなだか、知らんのです〜(涙)
誰か教えてください!
というか…、自分でつくればいいのか。
とりあえず、とりゐ味噌さんに行って、味噌を買わねばっ!
そうそう、教室にはちょっと早めについたので、冷蔵庫の中に収めてあった食材を眺めながら、ちょっとつまみ食いでも、と、手を伸ばしたら、市の職員さんに、コラ!と怒られたのでした…(涙)
というわけで、職人展の会期に先駆けて行なわれた「職人さん体験教室 天満の老舗味噌やさんの味噌を使ったお手軽料理をフレンチシェフにならおう」でした。
今回の体験教室の講師を勤められた「西洋料理いまとむかし 井上義平」のシェフのブログに、この体験教室の模様が早速アップされてました。
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http://chefinoue.exblog.jp/d2010-02-212月23日からは職人展がはじまります。
スケジュールは、以下の通り。
会期:2/23(火)〜3/5(金)※2/27(土)は休み
9:00〜17:30
場所:大阪北区役所1階 区民交流プラザ
入場無料
イベント関係
2/20(土)14:00〜16:00
●天満の老舗味噌やさんの味噌を使ったお手軽料理をフレンチシェフに習おう
2/26(金)14:00〜15:00
●提灯の製作実演
2/28(日)10:00〜12:00
●春のお茶会に使う和菓子をつくろう
2/28(日)14:00〜15:00
●ギャラリートーク(大阪市立扇町総合高校、宝塚造形芸術大学、大阪デザイナー専門学校、大阪市立デザイン教育研究所)
3/4(木)14:00〜15:00
●箪笥の製作・修理の実演
詳細は、北区役所企画調整担当まで(tel. 06-6315-9560)
第3回職人展「職人さん体験教室 天満の老舗味噌やさんの味噌を使ったお手軽料理をフレンチシェフにならおう」大阪北区役所2階 栄養指導室
大阪市北区扇町2-1-27
HP
http://www.city.osaka.lg.jp/kita/page/0000069407.html→
大阪市の北区をグルグル巡るブログのためのmap有限会社とりゐ味噌大阪市北区天神橋1丁目13-20
tel. 06-6351-5653
西洋料理いまとむかし 井上義平大阪市北区西天満3-8-7
tel. 06-6364-1136
ランチ / 11:30-15:00
ディナー / 17:30-23:00
月休み
HP
http://www.chef-inoue.com/