11/28(土)、天五中崎通り商店街で定期的に行なわれている「北天満サイエンスカフェ」の第3回があったので、またまた行ってきました。
前回のエントリーは、こちら。
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「天五中崎通り商店街で北天満サイエンスカフェ開催☆ 路上の紙芝居風講義がおもろすぎます!」北天満サイエンスカフェのサイトもあります☆
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http://kitatenma-cafe.com/前回は遺伝子の先端部分であるテロメアの構造とその働きについてという、ノーベル賞を受賞した研究についてのお話で、頭んなかが文系でできてる僕には敷居が高すぎたのですが、今回のお題は、「新型インフルエンザについて、個人がするべきことと行政がするべきこと」。ちょい、文系寄りです(笑)
ただ、僕はですな、「病は気から!」の人間でして、この20年近く、インフルエンザはおろか風邪ひとつ引いていないというアホウな人間なので、これまた縁遠いなあ、という、一抹の不安を抱えながらの参加となったのでした。。。
春先だっけ、新型インフルエンザが流行って猫も杓子もマスクをしていたときも、皆がマスクをして自分の口から出るウイルスを防いでくれるということは、オレはマスクしなくてもいいってことやん!ってかんじでしたから(笑)
会場は、前回は商店街の路上だったのですが、今回は、商店街の「HeArt美容室」の2階が会場です。寒いからね。で、いそいそと行ってみると、なんと、お店の方が住んでおられるのだろう普通の家の畳の広間なのでした☆
前回は紙芝居風辻説法だとしたら、今回は寺子屋です(笑)
おやつは、岸和田でその日に収穫した無農薬のみかん☆ タダで参加して、みかんとお茶までいただいていいのかしら?(笑)
さてさて、今回のお題を提供してくれたのは、大阪市東住吉区保健福祉センターの亀岡照子保険師です。
保険師ってなに? ってところから、話ははじまります。
キレイで上品なお声の持ち主の亀岡先生の第一声は、自己紹介を兼ねて、保険師とはなんぞや?ってところから、話の紐が解かれたのでした。
病院の医者や看護士さんが病人個人を相手にするのにたいして、保険師さんというのは、主に、地方自治体が設置する保健所や保健センター、あるいは学校で、地域全体の保健衛生の向上に努める仕事をされているらしいですな。
病院の医者や看護士さんが点で仕事しているのに比して、面で仕事されているといえばいいのかな。
2000年の雪印の集団食中毒事件があったとき、縦割り行政に阻まれて初動が鈍く、被害が拡大したのだけれども、そのときの教訓を生かして、今では保険師さんに大きな権限が与えられているそうです。そういうときに、立ち入りをしたり、調査したり、行政と組んで行動したり…、そういうところで活躍されているのが、保険師さん。
なんとなく、そういう仕事をされている人がいることは知っていても、その仕事をされている方を「保険師」と呼ぶことは、知られていないように思いますわ。少なくとも、僕は知らんかったです。
話の後半にも出てきたのですが、新型インフルエンザにかぎらず、感染症は、21世紀の現在になっても、先進国であっても、まったく撃滅しておらず、行政や個人レベルのでの公衆衛生の向上はこれからもますます重要になってくるのだから、こうした人たちの地位向上は、必須だと思いますわ。ちなみに大阪府は、予算、減らしてますけど。。。
ちなみに、大阪市は約70年前に全国でも一番最初に保険師を設置した地方自治体だそうで、これは、先代の関市町がエラかったということです。さすが、南北にどでかい御堂筋を通した人だけのことはありますな。
さて本題の新型インフルエンザです。
比較的若い人が新型インフルエンザにかかっているわけですが、40歳代以上の人はこれまでにさまざまなウイルス性感冒にやられてきたので免疫があるからかかりにくい、というのは、今のところ証明はされていないそうです。
その定説はともかくとして、現在、約1.2億人の日本人のうち、1000万人強の人の発症が認められているので、10人に1人が発症したことになります。結構な割合ですな。
感染率が高いのだけれども、手洗い、うがい、マスク着用の3点を真面目にやってれば、かなりの確率で防げるそうです。
ただし、たとえば手洗い。アルコールの速乾性消毒液や、キッチンハイターやブリーチを薄めたもので手洗いするわけですが、大人だと、現状、平均で約5秒の手洗い…。でも、本当は、15〜30秒は手洗いしないとダメみたいですね。掌、手の甲、指と指のあいだ、指、手首と、順番に手洗いすると、それくらいになります。これ、保険師さんが学校単位で指導して、小学生なんかは、そういう手洗いを素直に励行するのですが、大人は…、ホラ、面倒だとか忙しいとかいろいろあって、適当におざなりに手洗いをすませるので、厄介ですな(笑)
小学生の女の子が前に出てきて実演してくれましたが、すでに学校で教えられて励行しているらしく、完璧☆
地味なことだけれども、真面目に取り組んでたら、新型インフルエンザも、かなりの確率で封じ込めることができるとのことです。
公共の場所、たとえば学校なんかだと、
1)換気をする。
2)テーブルやドアノブ等の皆が触れるところは、アルコールの速乾性消毒液や、キッチンハイターやブリーチを薄めたものに浸した布でこまめに拭く。
3)手洗い、うがいをする。
これを真面目に取り組め、と。
手洗いでも、消毒液の入ったプッシュ式の容器はあちこちに置いてあるけれども、調べてみると、置いてあるだけで誰も手洗いをしていないと、中の消毒液も1週間前の古いもののままだったりするわけで、これだと手洗をしていることにならないばかりか、この消毒液だと手洗しても意味がない、ということにもなるわけで、このあたり、真面目に!ということになります。
ほいで、今回のインフルエンザの怖いところは、発症をきっかけに、もともと持っていた病気が重症化する危険があって、そこが怖い、ということです。
喘息や心臓疾患を持っている人なんかは、インフルエンザ発症をきっかけに重傷化する恐れがあるので、そこ、気をつけるように、と。
んで、今、行なわれているワクチン接種ですが、勘違いしている人が多いのは、ワクチンを打ったからといってインフルエンザにかからないわけではない、ということ。
重症化を防ぐためにワクチンがあるわけで、副作用のリスクもゼロではないので、これはもう、打つか打たないかは人それぞれだとしかいえないそうです。
かかりつけのお医者さんや懇意にしているお医者さんがいる場合でも、アポなしで直接出向くのではなく、必ず、電話をしてから行くこと。というのも、インフルエンザの場合は、時間と空間を他の患者さんと分けないとダメなので、アポなしで来られると、どんなに懇意にしているお医者さんでも困る、と。
とまあ、亀岡先生のお話は具体的でわかりやすく、かつ、キレイなお声とは裏腹に行政批判や現状の課題なども飛び出し、かつ多岐にわたり、かーなりおもしろかったですよ。
メディアはセンセーショナルなことばかりを取り上げるけれども、この場だと、実質的な話がメインで、かつ具体的なので、参加された方にとっては、かなり実のある時間だったと思いますな。
次回は、12/12(土)14:00〜。場所は、今回と同じく、天五中崎通り商店街のHeArt美容室さんの2階。お題は、「遺伝子組み換え作物は安全か?」です。
これまた、生活に直結しているサイエンスなので、実のある時間になりそうです。
時間が許せば、参加しようと思ってます。タダだしな!
北天満サイエンスカフェ天五中崎通り商店街 HeArt美容室
大阪市北区黒崎町5-16
HP
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