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龍王大神のイチョウに見るミイサン伝説
 チャリンコで通るたびにいつも気になっていたのだけれども、扇町通りの神山町交差点(ラーメンの天下一品がある交差点ね)を南折すると、広い道路の真ん中に、中州みたいにして、玉垣に囲まれた大きなイチョウの木と祠があります。読売新聞の西側ですね。

ずーっと、このイチョウは巨木の古木で、なんかのご神体にでもなっていて、ここらを舗装するにあたり、伐採すると罰があたりそうだから残そう、なんてことになって、今に至るのだろうな、などと、適当なことを思っていたのでした。そういう、人々が祟りを怖れるあまり、時空を超えて生き延びてきた都市のなかの古木というのを、ときどき見かけるじゃないですか。

まあ、ずーっとそんなふうに適当に思ってうっちゃってきたのですが、それだとあんまりにも適当すぎるので、こないだ、そこを通った際に、ふと思い立って、立ち寄ってみたのでした。

龍王大神



玉垣があって朱塗りの鳥居があって祠があるのだから、ここはちゃんとした神社だということですね。

龍王大神

龍王大神

見ると、祠の下には、「龍王大神」と書かれてあります。そして、その横には、太融寺の文字が。
なるほど…。なんとなくあたりをつけることが出来ました。ここは、もともとは太融寺の境内だったんでしょうな。

と、ちょっとあたりをつけて、いろいろと調べてみました。

すると、やはりここら一帯は、もともとは太融寺の境内で、その後、一帯が道路となり、このイチョウも伐採されようとしたのでした。ところが、幹に鋸を入れて四分の一ほど伐ったところで事故が起こり、伐採した人は、ことごとく、その事故がもとで亡くなってしまったんだとか。それも、変死に近いかたちで。
で、伐採は中止となり、イチョウは現在に至るまで道路の真ん中に鎮座する中州のようにして生き延び、鎮護のために祀られている、と。

その後、地の人が、龍王大神を祀るようになったとのことです。

龍王大神は、ヘビの神さまで、特に争いごとの神さまでもあります。で、このイチョウには白ヘビが棲んでおり、イチョウの根元に供えられた卵を食べているんだとか。

なぜ龍王大神を祀るようになったのかは定かではないのですが、そもそも太融寺の境内、現在の本堂のすぐ近くには、雌神を祀る白龍大社があるので、対にしたのではないでしょうかね。
はじめに太融寺の文字を見つけたときにピンと来たのですが、白龍と龍王は夫婦ですから、これは、番で太融寺を守護しているのでは、と、想像を膨らませているわけです。番なので、縁結びにまで話はひろがっていきます。男性は雄神の龍王大神へ、女性は雌神の白龍大社へ。これ、縁結びのお参りの作法です。


それにしても…、
巨木、古木には神秘的な動物が棲むという、これは民俗学ではミイサン伝説といいますが、このミイサン伝説は、日本中のいたるところにありますな。
で、ほぼ例外なく、伐り倒そうとしたときにたたりが起こった、というような、伐採禁忌の伝承と、セットになっています。

他の地方のことはよく知らないけれども、大阪では、ミイサンとは白ヘビや大蛇のことを指します。ヘビの神さまで、争いごとを司ると同時に、商売の神さま、方策の神さまということにもなっています。このあたり、なにやらお稲荷さんと共通していますが、白ヘビもまた、商売繁盛の神さまです。米を食べて、身体が白くなって白ヘビとなる、といいますから、その米が、豊作や、ひいては商売繁盛に結びついています。

ほいで、
そうした伝承から、昨今のエコ化やグリーン化の流れのなかで、自然との共生だとかに結びつけて、次世代の生きかたの象徴のように、巨木や古木が祭り上げられるかもしれません。

でも、それは違うな。
街路樹は、都市を緑化するため、主に行政によって植えられ、管理されてきました。つねに人間の手が加わってきた樹木が街路樹であり、郊外の里山です。
でも、巨木や古木は、そうした人智によって管理されてきた樹々とは、対称的な位置にあります。
古木や巨木と呼ばれるものには、その枝ぶりや全体像から溢れんばかりの生命力を放ち、街路樹には見られない威風を漂わせています。端的にいえば、人智の管理の、外にある。そこは、もののけ姫の棲む場所です。
だからこそ、人は、そうした巨木古木に、人間の力を超えた自然性を感じとり、それをミイサンという宗教的シンボルを付与することによって、表現してきたのではなかろうか、と、僕は思います。

民俗学者の折口信夫は、かつて全国の奇祭を蒐集していた折り、そうした奇祭は、弥生人となって忘れてしまった縄文的な感性、つまり、異界を感じる感性を現出させることで、日常生活に揺さぶりをかけて活性化させるためのものとして奇祭は存在する、と、結論づけています。

龍王大神のイチョウに貼りついているミイサン伝説を見るにつけ、人々が、異界を感じるため、異界の入口としての役割を、そこかしこに漂わせる巨木古木に独特の妖気から、見いだしていたのでは、と思うのです。

なので、御堂筋のイチョウと龍王大神のこのイチョウは、根本的に違う。
違うのだけれども、そういえば、御堂筋のイチョウは、なぜイチョウなのだろうか?
そのあたりの経緯、また今度調べてみます。


ところで、昭和30年代あたりまでは、龍王大神の祠を囲んで、毎年夏に地蔵盆が行なわれていたそうですが、今は、そうした風景にお目にかかることはありません。
そういえば、お地蔵さんは、いらっしゃらなかったような。。。



青丹よし。
もう、初夏と言ってもいいような陽気です。

龍王大神




龍王大神
北区野崎町8

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この記事のコメント
噂では今年の春には太融寺に神職が戻ってくるようですね。

| | 2010/01/08 9:38 PM |
この記事のコメント
それは初耳☆

太融寺も神仏習合するのですね!

| ルイス | 2010/01/08 11:00 PM |
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