大阪市の北区をグルグル巡るブログ | 大阪市の北区メインでいろいろ仕事をしてます。仕事場も住んでるところも大阪市北区なので、北区をグルグル巡って、目にしたもん耳にしたもん感じたもんを、つらつらと書いています。

大阪市の北区をグルグル巡るブログ
大阪市の北区をグルグル巡るブログ
<< 【本日14時〜 Ust配信】学生さんたちが北区の職人さんたちに触れて、考えたこと「職人×学生 ワークショップ at キタ」 | main | 第25回サイエンスカフェは「血液のはなし」 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


「職人×学生 ワークショップ at キタ」
「職人×学生 ワークショップ at キタ」       

もう何度も書いているのでうんざりでしょうが、大阪市の北区では、伝統工芸に従事する職人さんの活動を支援する事業があって、今、職人さんたちと学生さんとでコラボレートしてもらい、若い人たちに伝統工芸に対する意識を高めてもらおうとする動きをしています。

昨年度は、デザイン系の学生さんと職人さんがコラボして、新商品の開発や、店舗の提案、販促ツールの提案などを行ないました。

今年度は、デザイン系以外の学生さんに参加してもらって、さまざまな取り組みを行なうワークショップを展開しています。
まず、昨年末に、職人さんと学生さんとでグループセッションを行なってもらい、学生さんに、職人さんたちの生の声や思いに触れてもらいました。

そのときの様子は、こちらを。

「職人×学生ワークショップ『キタの職人さんに出会おう』」


そして今回、日曜日に行なわれたのは、そのグループセッションを受けて、学生さんたちが、どのようなことを考え、どのようなことに取り組んだのかを、発表してもらいました。
題して、「職人×学生 ワークショップ at キタ」

発表は、ポスターにして展示するポスターセッションと、壇上に立ってプレゼンしてもらうギャラリートーク。

ポスターセッションでは、ECC国際外語専門学校の生徒さんたちによる「まちに活きる技と心」冊子の翻訳についてや、北稜中学校の生徒さんたちによる「職人さん見学について」など、なかなか興味深い展示が。

そしてメインイベントの、ギャラリートーク。
今回は、ギャラリートークのダイジェストをこのエントリーでお伝えしていきます。

トップバッターは、大阪大学の学生さんサイエンスカフェについて。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

サイエンスカフェの取り組みについてです。これは僕も毎回参加しているものなので。よーく知ってます。
運営されているスタッフの方が、昨年末、職人さんを交えてのトークセッションに参加され、その後、北区の職人さんである工房アルテさんを招いてのサイエンスカフェが開催されました。

そんときの模様は、僕もエントリーしています。

「第22回サイエンスカフェは『人工ボディをつくる 心のバリアフリーをめざして』工房アルテ・福島さん、愛と感動と疾風怒濤の人工ボディ奮闘記」


人工ボディは、工房アルテの福島有佳子さんが独自につくってこられたもので、「人工ボディ」という言葉自体も、福島さんの造語です。ここでしかつくれないものが大半で、海外からも引き合いが来るほどの、精巧なシロモノです。
今回も実際に実物が展示されたのだけれども、指のしわから爪の色、かたちまでマジでホンモノそっくりで、人工ボディだと知らないと、ギョッとするほどです。

福島さんがされているのは、交通事故や病気などで身体の一部を失った人のために、ハリウッドも真っ青の特殊メイク・レベルの人工ボディを完全オーダーメイドでつくるお仕事です。
カウンセリングから製作、メンテまで、すべて自己完結させてしまいます。

なぜ極限までホンモノそっくりにつくるのかというと、手がない人に、人工でもなんでも手があるだけでありがたく思え!というモノの考えかたが許せなかったからです。なぜ、手がない人が、ホンモノそっくりの手を求めてはいけないのか? 彼女の思いは、そんな疑問からはじまるのです。
お客さんと徹底的に対話し、お客さんのために最善のものを追求する福島さんの姿に、学生さんたちは心を打たれたようです。
また、障害者に接するのは難しいかもしれないけれども、そう考えるのではなく、ひとりの人間、ひとりのお客さんとして、正面から向き合う姿勢に、感動した!と。

次に、福島さんが考えている「心のバリアフリー」についても、学生さんから説明がありました。
たとえば、右手の指がない人は、右端に座る傾向がある。知らず知らずのうちに、指のない右手を隠そうとする心の表れなのですね。そうしたバリアが、障害者のなかには存在する傾向がある。
また、障害者の集まりなどにいくと、私たちの気持ちなんて一般の人にはわかるわけがない!なんていう、閉鎖的な心もあります。
そんな心のバリアを取り払い、心のバリアフリーを実現させるのが私の仕事!と言い切る福島さんの姿に、学生さんたちは感動します。

対話やお客さんのことを徹底的に考えるということについては、たとえば、生まれたときから指が2本しかない子供が来られたときの話が印象的でした。
親としては、残りの3本の指を用意して、ちゃんとしてあげたいと思う。でも、その子供との対話のなかから福島さんが導き出した答えは、新しい指はつくらずに、そのままで、というものでした。
その子供は、2本しか指がなくても、服を着ることも脱ぐこともできるし、ボタンを留めることもできる。日常生活において、なんら不自由していない。そんな子供に、新しい指を3本つけると、邪魔になるだけ。これは欠損ではないんだ、ということです。
学生さんたちが、そういう話を、自分の言葉で語ってくれました。

また、サイエンスカフェの普段の取り組みの説明も併せて行なわれました。
北天満サイエンスカフェでは、専門家や科学者を招き、最先端の科学をわかりやすく30分ほど話をしてもらい、参加されるお客さん、商店街の方々から素朴な疑問を投げてもらい、対話を通じて実りのある時間をつくっていきたいとするものです。

来月は、今回の会場ともなっている関西大学社会学部の与謝野先生による「社会的信頼学と天満天神での試み」です。これについても、ちゃっかり紹介し、参加を呼びかけてはりました。

この大阪大学の学生さんによるサイエンスカフェの取り組みは、僕も知っているだけに、なかなか感動的でした。

サイエンスカフェのHPは、こちら。興味を持たれた方は、どうぞこちらをご参照を。

北天満サイエンスカフェ



続いて登場したのは、大阪デザイナー専門学校の学生さん。

じつは今回、「キタの手わざ」というロゴマークが製作されただけれども、それを担当したのが、こちらの学生さんたちです。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

3人の学生さんがそれぞれロゴマークを製作し、それぞれを公開して、投票を行ないました。
100票くらいの投票があったのかな? 区役所と関西大学のリサーチアトリエに投票箱が置かれていました。
ハンコの先端をモチーフに伝統を感じさせるロゴ、「キタ」をモチーフにし、伝統と手わざを感じさせるロゴ、どっしりとし、角を丸く(角が立たない)し、可読性を考えたロゴの3点。

どれも製作にかける思いやしんどさがあったでしょうが、投票で選ばれたのは、どっしりとし、角を丸く(角が立たない)し、可読性を考えたロゴです。
さらに、それをベースに、最終的な改良を加え、完成したのが、これです。

ロゴを製作していく過程で、たくさんの人から意見をもらえたことはとても嬉しかったし、今後、デザインという仕事をしていくうえで、ここで職人さんたちとかかわり、学んだことを生かしていきたいと、今後の意気込みを語ってはりました。

この年代だと、自分のつくったものが実際に使われるというのは、このうえない歓びです。
僕自身もそうだったし、この感覚はすごくわかるなあ。
これからも、このときの感動を忘れずに頑張ってください。



最後に登場したのは、関西大学社会学部の与謝野ゼミの学生さんたちです。

今回の会場ともなっている天神橋3丁目商店街にリサーチアトリエを構えるゼミの学生さんたちが、社会学の手法を使って、北区の伝統工芸に関するさまざまな調査を行っており、その調査結果の発表です。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

学生さんたちの発表に先立って、与謝野先生より、リサーチアトリエの取り組みについての話がありました。

大学は企業や行政のようにたくさんのお金をかけたりすることはできないが、針治療を続けていくようにして、ちょっとしたツボを突いて、刺激を与え、粘り強く取り組むことで成果を挙げていきたい、と。
北区の掲げるテーマは、安心・安全に加えて信頼というものだけれども、信頼されるまちの実現に少しでも寄与できたら、と、語ってはりました。

さて、調査です。

すでにある調査結果が示されていたのだけれども、これがなかなか衝撃的!

関西の各県で、自県の伝統工芸に対する認知度を、自県の人と他府県の人とにアンケートをとってみると、あたりまえのことだけれども、自県の人のほうが、自県の伝統工芸をよく知っているという結果が出ました。
しかし、大阪では、違った。
大阪の伝統工芸に対する認知度は、大阪府民と他府県民とでは、なんと、差がない!という驚きの結果が出てます!
ただ、北区では少し様相が違っていて、たとえば天満切子や提灯などは、北区民のほうが区外の人よりも、たくさん認知していたという結果が出ました。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

この調査結果をもとに、関西大学社会学部の学生さんたちが調査に取り組んだことは、以下のふたつの観点からの調査です。
1)地域へのコミットメントと生活
2)伝統文化への興味

1)については、天満天神地域に住んでいる年数、愛着はあるかどうか、地域のお祭りや行事にどれくらい参加しているか、隣近所との付き合いはあるかどうか、などの聞き取り調査を行っています。
2)については、伝統文化についてどのくらいの関心があるのか、知っているかどうか、伝統工芸のイベントに参加したことがあるかどうか、などの聞き取り調査を行っています。

上記の調査を、かなりの突貫工事で行なったそうですが、そこに統計学的な係数を加えて分析してみると、

・居住年数と社会参加の関係性は高い
・社会参加と近隣との交流の関係性は高い
・伝統文化への認知とイベント参加の関係性は高い

という結果が出、
地域への愛着がある人ほどイベントに参加したいという、一連の流れが見えてきました。

この結果から、彼らが立てた仮説は、
・居住年数が高いほど、伝統技術に対する認知度が高い。
・北区の地域のイベントに参加する人ほど、伝統技術に感心がある。
というもので、地域への愛着が地域への活性化を促進すると、考えているようです。

愛着はあるし、イベントがあるなら参加したいが、イベントの存在を知らない人が多い。
なので、イベントの告知を強化するといいのでは?
という提案までなされました。

これは、僕自身の経験に照らしてみて、とても実感できるものです。
実際、このブログをはじめて、各地のイベントに参加するようになって、北区に対して愛着を持つようになったし、とても実感の持てる説です。
そして、大阪市はわりと質の高いイベントをやっているのに、広報がヘタクソすぎて周知されていない、というのは、僕の周辺では、共通の認識としてあります。僕のtwitter周りなんて、その話題ばっかりだし(笑)

最終的に、学生さんたちが出した結論は、次のようなもの。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

イベントに参加することが、伝統文化に関心を持つきっかけになりえる

天満天神地域への愛着を増すことに繋がる

地元地域の息の長い活性化へ繋げていく

これは、僕にとっても、ストンとくる結論です。



さて、以上が、学生さんたちの取り組みの発表。
続いて第2部、宝塚大学大学院 李瑛一教授による講演「新しい大阪の都市ブランドの構築について」です。
李先生は、まちづくりの専門家として、各地で活躍されている先生です。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

これまたザクッとダイジェスト版で紹介すると、

まず、ブランドには以下の3つがあり、
1)商品ブランド(モノ)
2)企業ブランド(企業)
3)場所ブランド(都市、地域、国)
最近は、(3)の場所ブランドの構築が流行っている、と。

この3つを繋げて操作することが大切で、たとえば、(2)がそのまんま(3)に繋がっている例としては、名古屋=トヨタなど。
北区の伝統文化も、(1)がすぐに(3)に繋がっています。

場所ブランドの構築においては、ブランドスケープデザイン、つまり、ブランドによってイメージされる良質の風景をデザインすること。それはブランドと接したとき、その出会いをより魅力的な体験に変えるものである、と。

たとえば、京都をイメージしたとき、どんな風景をイメージするか?そういうことが大切になってきます。
ちなみに、大阪は、1位から3位まで粉モン。ひったくり、不法駐輪など。関西のみならず、東京から来た人もそう思っている。これを払拭するところからはじめないとダメってことですね。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」

魅力的な体験については、
ブランドを通じたコミュニケーションが挙げられるのだけれども、
産学連携、地域連携 ヤマほどもあるけれども、どれも上手くいっていない。結局は、出口の問題なのだそうです。
学校は、社会的な経験をしたからいいじゃないか。企業は、タダで提案してもらったからいいじゃない。結果、ただやっただけで終わってしまっている。
これを繋げていくためには、マーケティングをちゃんとしていかなければならないし、大学も次のステージに向かっていかなければならない、と。
大学としては、社会との垣根がなくなりつつあるので、大学のなかに社会とコミュニケーションできる場をつくるようにしていきたい、と。

ブランドデザインの戦略では、
近年、ブランドは無形資産として大変な価値を持っていることから、さまざまな分野で研究ないしは実践が行なわれていて、特にマーケティングでは新しい戦略として数年前から積極的に取り入れている、と。
それは「誇り」「ステータス」というブランドの概念から、魅力的で個性あるものが他者との差別化を生み、ある特別なイメージを創るものに変化しつつある、と。

ブランドの創りかたとしては、
まず、どうなりたいのか?を考え、どうイメージされたいのか?についてシミュレーションを行なうことが肝要。
たとえば、北区を考えたとき、
伝統的なまちということにしたいと考えたら、既存のものをどう発掘して、どうマーケティングして、どう売っていくかを考えなければならないですね。

そこで、伝統的なまちとして売っていくとするのなら、たとえば、日本全国の伝統文化を発信するイベントを北区で開催する。一例として、全国提灯イベントを北区で行うと、皆が、北区は提灯のまちだと認知する、というようなことです。

以上、ごくごく簡単なダイジェストだけれども、李先生の講演は、そういうお話でした。


その他、手ぬぐいやマカロンをモチーフにいた照明器具の展示や、パネル展示など、なかなか盛りだくさんの発表会でした。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」


それにしても、たくさんの人がご来場。
アトリエに入りきれないほどの盛況で、ちょっとビックリしました。
関心のある人が、意外なほど多いってことですね。

「職人×学生 ワークショップ at キタ」


そうそう、今回は、なみはやノーツさんによるUst中継も実施☆

「職人×学生 ワークショップ at キタ」


プログラムの全容が、アーカーブの動画から、いつでもご覧いただけます☆
このブログにも、埋め込んでおきました。
ちなみに、なみはやノーツさんのUstチャンネルは、こちら。

http://www.ustream.tv/channel/namihayanote





職人×学生 ワークショップ at キタ 記念イベント
HP http://www.city.osaka.lg.jp/kita/page/0000114050.html
日時:2/27(日)14:00-15:30
場所:関西大学リサーチアトリエ「楽歳天三・天満天神楽市楽座」(大阪市北区天神橋3-9-9 地下鉄堺筋線「扇町駅」4番出口徒歩5分)
mapを見る



関西大学リサーチアトリエ「楽歳天三・天満天神楽市楽座」
HP http://www.kansai-u.ac.jp/rakusai/index.html







それぞれの職人さんたちの詳しい紹介は、過去のエントリーをどうぞ。

「北区にはこんなにも素敵な手仕事があった!第2回 北区の伝統文化と職人さん展『ものづくりと手仕事を中心とした展示会』」

「北区自慢の箏の糸締め名人の仕事を見てきました☆」

「職人さん体験教室『天満の老舗味噌やさんの味噌を使ったお手軽料理をフレンチシェフに学ぼう』を見学してきました(体験参加できず試食もできず…涙)」

「第3回北区の職人展がはじまってます。今回は、若手と伝統のコラボがメイン」


「提灯はこうしてつくられる!」

「職人展のイベント、『春のお茶会に使う和菓子をつくろう』に行ってきました。」

「職人展最後のイベントは、宮地箪笥店さんによる桐箪笥の洗いの実演でした☆」

「職人×学生ワークショップ『キタの職人さんに出会おう』」

「組織化された職能集団としての『造幣局』を訪ねて」

「『発見! キタの手わざと名品』展がはじまりました☆ 2/9まで!」




■この町内の最近のエントリー■
スポンサーサイト

コメントする









この記事のトラックバックURL

http://kita-ku.jugem.jp/trackback/624
トラックバック
/PAGES
▲page top

pagetop
Copy Right(c)2009-2011 Joe's Garage inc. Asakaho Luis Ryuta All Rights Reserved.