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救急ペットボトルの配布に見る、「思い」を戦略の真ん中に置いてコトを進めていくということ
救急ペットボトル


9月に、救急ペットボトルをリリースしました。

主に独居老人の方が、異変が起きて自ら救急車を要請したとき、救急隊員が迅速に救命活動を行えるよう、持病やかかりつけの病院等について記したカードを用意しておこう、というものです。
そして、記入したカードを空のペットボトルに入れて、冷蔵庫に保管しておきます。

なぜ冷蔵庫なのかというと、
ほぼすべての家にあり、駆けつけた救急隊員が一番わかりやすい場所が冷蔵庫だからです。そして、冷蔵庫にカードが封入されたペットボトルを保管しておけば、肝心なときにカードが見つからないという確率は、ぐーんと減ります。
わかりやすい場所となると、TVの横や玄関の靴箱の上なんかもそうですが、TVの横や玄関の靴箱の上だと、いつのまにかカードがどっか行ったり、ペットボトルごと転がってどっか行ったりと、肝心なときに、使えないケースが考えられます。

でも、冷蔵庫の中なら、なくなってしまう可能性はかなり低かろう、と。
さらに、冷蔵庫の前面に「救急カプセル」のシールを貼っておけば、一目瞭然です。

長期にわたって冷蔵庫に保管しておけるように、カードは完全防水にし、カードの四辺の淵には色をつけて、たくさんの食品のなかからでもすぐに見つけられるようにしてあります。

実際、すでに先行して行っている地域では、この救急ペットボトルが活躍したおかげで、救急活動がスムーズに行えた例が、いくつも報告されているようです。

もっとも、独居老人だけを対象にしているわけではなくて、若い人でも家族で住んでいる人でも、誰でもが救急車を要請しなければならない可能性はあるわけなので、もちろん、誰でもオッケーです。

詳しいことは、リリースしたときのエントリーに書きました。興味のある方は、ご参照あれ。

「救急ペットボトルをつくりました。万が一のときに備えて、ご利用ください。」


このペットボトルとカードですが、社会福祉法人 大阪市北区社会福祉協議会というところが配布しています。地域の福祉活動の拠点になっているところです。

気になるのは、どのように配布しているのかということです。せっかくつくっても、ひろまっていかなければ、たくさんの人が利用してくれなければ、意味がありません。
ということで、どのようにして配布したり広報したりしているのかを、社会福祉協議会の担当の方に、聞いてきました。
というよりも、すでに、大ヒットしていて、猛烈な勢いで配布されているという噂を聞いていたので、むしろ、その勢いのすごさの秘密を聞きたかったのでした。あるマンション群で全戸配布したいので1600枚ほしい!とか…、なんか、エラいことになってるらしいです。

お話をお聞きすると、まず、弱い立場に置かれている人たちのところに真っ先に配布することを考えて、そういう人たちとコンタクトがとれる場で直接配布したり、広報したりした、と。

デイケアなどでオジィやオバァたちと日常的に直接触れている人たちに宣伝したり、地域で行なわれている「ふれあい喫茶」(注:「ふれあい喫茶」の詳細→「『ふれあい喫茶』も知らんかったけど、そこに来てるオジィやオバァがじつにたくましいことも僕は知らんかった!」)に出向いていって宣伝したり…、そういう場にピンポイントで宣伝していってるそうです。

そこには地域の町会長さんや町会の婦人部の人たちもいてるので、そういうルートで話が流れていく、と。
オジィやオバァ相手にネットなんてもってのほかやし、紙を撒いていくだけってのも、もうひとつ効果が見込めない。かといって、片っ端から直接会って、というのは物理的に不可能。
でも、オジィやオバァのお世話をしている人たちに情報を流していけば、すみずみまで効果的に行きわたる。そういうネットワークをフルに利用することで、効果的に広めていってるんだそうです。
で、その現場は井戸端会議の現場に似ているんで、倍々効果で広がっていくんですね。リアルtwitterです!

で、こっからが、なるほど!と思ったんですが、
空のペットボトルは必要ならわたすけれども、原則としては、ペットボトルは自前のものを用意してもらって、キレイに洗ってもらって、半分に切ったりと改造するのも、みんなでやってもらうようにしている、と。
僕なんかは、改造済のペットボトルはすでにたくさん用意してあるんだから、それをわたしてあげたほうが親切でいいやん!と思うんですが、違うんだそうです。
そうではなくて、自分自身で、あるいは家族やお友だちを巻き込んで、ペットボトルを自前で用意することで、思いがこもっていく、と。こちらがタダで用意したものなら、そこらへんに捨ててしまいがちにもなる。

基本になっている考えは、この、思いが込められているかどうか、なんだそうです。
思いがある人に話をすれば、その人は積極的に広めてくれるし、積極的にかかわってくれます。
実際に救急ペットボトルを使うオジィやオバァにも、作業に加わってもらうことで、思いを込めてもらうことができる。この救急ペットボトルを生かすも殺すも、やっぱ、その人の思いひとつです。

すごくよくわかる話でした。
よくわかる話だったし、福祉の現場で働いておられる人たちが、思いを大切にしているのは当然だとしても、事業を進めていくにあたって、「思い」を戦略の真ん中においているところは、すごいなっ!って思いましたね。

僕も、自分の仕事をするにあたって、思いが大切なのは重々承知しているし、思いを持っている人と仕事をするように心がけてます。
でも、戦略を立案するときに、「思い」を真ん中において、コトを進めていくというのは、なかったように思います。
「思い」を推進力に使うことはあるけれども、戦略に絡めていくという発想はなかったです。

で、そのやりかたで爆発的に広がっていっているという事実を目の当たりにして、いい勉強をさせてもらったな、と、そんなふうに感じています。

仕事って、この年になっても、教わることがなんぼでもある。いい経験をしてますわ。




救急ペットボトル
社会福祉法人 大阪市北区社会福祉協議会
大阪市北区神山町15-11
北区在宅サービスセンター いきいきネット
tel. 06-6313-5566(代)
fax. 06-6313-2921
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