大阪市の北区をグルグル巡るブログ | 大阪市の北区メインでいろいろ仕事をしてます。仕事場も住んでるところも大阪市北区なので、北区をグルグル巡って、目にしたもん耳にしたもん感じたもんを、つらつらと書いています。

大阪市の北区をグルグル巡るブログ
大阪市の北区をグルグル巡るブログ
<< 暁の黒鍋の正体は… | main | 天満立ち飲みツアー note.009 「裏HIROYA」再び☆ >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


幕末の上方サブカルチャー文化のキーパーソン、暁鐘成とは?
暁鐘成 墓所(勝楽寺)

暁鐘成 墓所(勝楽寺)


このブログをはじめるとき、北区の歴史というか、梅田周辺や天満周辺の歴史を詳しく知りたいなあと思って、いろいろとネタ本を探していました。

んで、いろいろ見つけて、手に入れた現物もいくつかあるんですが、存在だけは知っているけれども、図書館で見つからず、古本屋さんにもなく…、という具合で、未だ見ぬキミ、みたいな本もあります。

その代表格が、『摂津名所図会大成 全2巻』

『摂津名所図会』は見たこともあるし、断片がネットに転がっていたりもするけれども、『摂津名所図会大成 全2巻』は、まだ見たことがありません。こっちのほうが扱っているエリアは狭いらしいんだけれども、記述が詳しいらしい…。正史だけじゃなくて、稗史らしきものにまで触れている、と、噂だけは耳にするので、ぜひ、手にとってみたいもんです。

一応、柳原出版から定価12,000円で目録には載ってるんだけれども、在庫、ないみたいです。古本市場でも、見かけない。そんなに必死になって探しているわけではないけれども、個人的には、幻の本、みたいな位置にあります。地誌の傑作と呼ばれているんですけどね。

さてこの本は、暁鐘成(akatsuki no kanenari)というオッサンが執筆しました。寛政5年(1793年)に生まれて、万延元年(1860年)に没しています。
幕末の、醤油をつくっていた家の出で、実際に家業も継いでいました。家業を継ぎながら、狂歌を愛し、戯作に耽り、晩年、『摂津名所図会大成 全2巻』の執筆(挿絵も!)に心血を注ぎます。
家業の儲けを背景に都市の高等遊民のような生活を送っていたので、質素倹約令に触れて店が壊されたりしてます。
なんちゅーか、生活の糧を気にせずに純粋に芸術やサブカルチャーに没頭したあたり、ゴダールを彷彿させますな。寺山修司をブルジョアにしたかんじ、かな? サロンも営んでいたというので、文化人的ポジションにいたのだと思います。

旅先で、百姓一揆に加担した疑惑で投獄されたりしてます。その後、疑惑が晴れて無罪放免になるんだけれども、その20日後に急死してしまったため、心血を注いでいた『摂津名所図会大成 全2巻』のほとんどが完成していたのにもかかわらず、そんときは、本は刊行されませんでした。

刊行されたのは昭和2年(1927年)〜3年(1928年)にかけて。
没後半世紀以上経ってからの刊行なので、紆余曲折があったということではなくて、きっと、「発見」されたんでしょうな。ここで発見されなかったら、戦争を挟むことになるんで、焼失していた可能性すらあることを考えると、これはなかなかラッキーな発見だと思います。

とはいえ、今となっては、暁鐘成が、幕末時代の上方出版界の売れっ子だったことがわかっています。

当時、丸派という狂歌サークルが幅を利かせていて、絵師や歌舞伎役者もメンバーに入っていました。
大阪は芝居熱がメチャクチャ熱かったんで、演劇界と狂歌、特に丸派は、とーっても親密に交わってます。浮世絵の主要ジャンルである上方役者絵と丸派の狂歌は一体となっていき、上方文化創出の一端を担っていくようになります。

その過程で、丸派の狂歌サークルは文化サロン的な役割を果たしただろうし、そのなかに属して高等遊民然としていた鐘成の影響力は、小さくなかったと思います。

で、これらは完全に町人文化だから、目線が、庶民の目線です。米相場の様子を記したものだと歴史書になっちゃうけれども、目線が庶民の目線なら、まちの噂、芝居の熱、商いの現場…、そうした、正史からこぼれ落ちてしまう風俗やふわふわした定型を持たないものにかたちを与える作業が、きっと行われた。狂歌とはまさにそういうものです。

そういう人が著した地誌だからこそ、読んでみたい。

先日、近くに用事があって、暁鐘成の墓所である勝楽寺を訪れた際、そういうことを思っていたのでした。




暁鐘成 墓所(勝楽寺)
大阪市北区大淀中4-5−12

mapを見る



■この町内の最近のエントリー■
スポンサーサイト

コメントする









この記事のトラックバックURL

http://kita-ku.jugem.jp/trackback/429
トラックバック
/PAGES
▲page top

pagetop
Copy Right(c)2009-2011 Joe's Garage inc. Asakaho Luis Ryuta All Rights Reserved.