正月も明けて間もない1月8日、北区人権啓発推進協議会ってところの主催で、北区民センターで映画の上映会があったのでした。
鶴瓶が主演の「ディア・ドクター」って映画。なにやらヒューマン・ドラマっぽいかんじのやつですが、よく知りません。見てないからな(笑)
まあ、映画はどーでもよろし。
映画のあとに、扇町総合高校吹奏楽部の人たちのコンサートがあると聞いて、そっちを見にいってきたのでした。
北区のあちこちのイベントで、この高校の吹奏楽部を見かけます。
OHGIES(オーギーズ)ってチーム名らしいです。
部員が何人いるのか知らないけれども、いつも50人くらいの規模で各種管楽器を奏でるさまは、なかなか壮観です。
テクニック的なところだけを取り上げたみたら、メチャクチャ上手いというわけではないです。
でも、彼ら彼女らの奏でる音楽からは、とっても元気をもらえます。
この年代、音楽のデーモンにとり憑かれてしまったら、悲しみを原風景に抱えながら表現していくしかないはずで、そーでなければただのノー天気なバカでしかないはずで、ではこの人たちはどちらなのかというと、じつはどちらでもない(笑)
なんかね、スポーツ的な爽やかさがあるんですよ。
見せかけのテクニックに走らず、かといって軋轢のノイズを放つでもない、なによりも悲しみを表現していない、誰かのために演奏していない、自分のために演奏している。だから、彼ら彼女らは、音楽を奏でることを、ものすごく楽しんでいます。それもチームで奏でることで、目的を共有する歓びみたいなもんもあって、その意味で、スポーツ的な爽やかさが漲っていて、見ていて、元気をもらえます。
その意味では、チアダンスに似てるな。
テクニック自慢のミュージシャンやら、ノー天気に熱情だけを発散しているような音楽が溢れ返ってるなかで、オーギーズの演奏は、まず自分たちが楽しんで演奏するという、素直な爽やかさがあって、僕は、そのへんの音楽よりもよっぽど好きです。
これが、還暦前後のオッサンやオバハンがやると、レイドバックした単なる懐メロにしかならない。そこには慰みはあっても爽やかさはありません。だから、おなじ楽しむといっても、その違いは大きいですわ。少なくとも、オーギーズの演奏には、現状も未来も肯定する、明るさがあります。
オープニング、いきなりステージに登場するのかと思いきや、普通に、客席横の入口から隊列を組んで入ってきはりました(笑)
まずは、客席フロアの一番前で勢揃い。ステージに上がらずに、しょっぱなはここで演奏です。
最初の曲は、「海兵隊」。
吹奏楽なんで、やっぱ、最初はマーチで景気付けですな!
んで、ステージに上がって演奏した曲は、AKBの「会いたかった」(笑)
このあたりになると、オジサンにはまったくわかりません(笑)
部員の何人かが、前に出てきて踊ってはりました。このあたりが高校生ならでは、ですな。
この他、大阪をモチーフにしたマーチ、「WE LOVE 大阪」ってのもやってはりました。そんな曲があるんですね。
なかなか景気のよさげなマーチ(笑)
んで、序盤戦を終えて、中盤、いくつか企画ものが用意されていてですね、まずは楽器紹介を兼ねたイントロ当てクイズ。
高音パートを担当しているフルート、ピッコロ、オーボエの人たちが奏でたのは「千の風に乗って」。
クラリネット、バスクラリネット隊は、「キラキラ星」。
吹奏楽の花形、アルト、テナー、バリトンのサックス隊は、「森のクマさん」をやってはりました。
解説によると、狩りに使われた角笛が発達してできたホルンは、「ヤッターマンのテーマ」。
トランペット隊は、「吉本新喜劇のテーマ」(笑)
人の声に一番近い楽器、トロンボーンは「サザエさんのテーマ」。
このあと、ジャズ・メドレーの「Let's Swing」では、演奏しながら振り付けもするという離れ業を!
ここでもうひとつ、企画もの。指揮者体験です。
指揮者をやってみたい人を客席から募って、実際に指揮棒を振るってもらいます。
勇敢なおばさんがチャレンジしてはりました☆
このあたりから客席が一気に沸き出して、客席全員を巻き込んで、ウサギ追いしかの山〜でおなじみの「ふるさと」合唱。
んで、アンコールも兼ねた最後は、楽団のテーマ曲にもなっている「学園天国」☆
いやいや、最後、大盛り上がりになって、いいコンサートでした。
音楽なんてのは、音楽になにができるのかなんて愚問の極みのような問いを発するまえに、なぜ奏でるのかを自問しながら奏でるべきで、ちょっとした人なら、誰しもが、そうせざるを得ないはずです。
でも、オーギーズの面々たちは、その問いを軽々と突破してる。現状と未来を肯定する明るさが、僕たちに元気を与えてくれてます。だからこそ、彼ら彼女らは、どんな場所ででも演奏できるはずだし、事実、そうやってきているのだと思います。
老若男女入り混じってる客席を湧かすのって、そんな簡単なことではないだけに、オージーズが場数を踏んでいるだろうことは、容易に想像がつきます。
実際、HPを見てみると、毎日の練習もさることながら、あっちこっちへ出向いていって、しょっちゅうコンサートをやってる。そこらへんのアマチュアバンドよりもはるかに場数を踏んでるんじゃなかろうか、ってくらいに。
むかし、扇町総合高校が商業高校だったころ、ヤンチャなのがたくさんいたんですよ。
学校行かずに、商店街の横の路地で昼間っから制服着たままタバコ吹かしてるのが、たくさんいたんですわ。
今、どうなってるのかまったく知らないけれども、この吹奏楽部の部員たちは、髪を染めてる人たちすらひとりもいなかったし、礼儀正しいし、触れていて好感が持てる人が多かったですね。
むかしと比べたら、かなり変わったのかな。
大阪市立扇町総合高校 吹奏楽部「OHGIES」大阪市北区松ヶ枝町1-38
TEL. 06-6351-0036
HP
http://www.ohgies.com/→
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