南森町の交差点、天神橋筋商店街の北側入口、りそな銀行南森町支店のショーウィンドウのまえのところですが、あのあたりは、ちょっと広めのスペースがあることも手伝ってか、
迷惑駐輪のメッカになっています。
ここはですね、地下鉄堺筋線の南森町駅の入口になっているせいもあって、チャリを停め置くのにはメチャクチャ適した場所なのですね(笑)
でも、その前にはショーウィンドウもあるし、この場所ではときどきイベントも行われたりもするし、第一、商店街の入口にチャリが山積みになっているというのは、景観上よろしくないし、まあ、なんとかしないとなー、と、商店街のみなさんもずーっと思ってきた場所です。
でもねー、適度にスペースがあるせいと、駅の入口の横ということもあってか、なにをやっても効果がなく、ずーっと迷惑駐輪のメッカであり続けてきたわけです。
そこへ、僕のブログでお馴染みの
関西大学STEPが、立ち上がった、と。
センター長の与謝野先生が、これまた、あちこちの資源を繋いで、解決に向けての提案をされました。
それが、本日、お披露目なりました☆
関西大学佐治スタジオやゼミの学生さん、地域で活躍するデザイナーさんたちが一緒になって、木製(スギ、ですかね?)のプランターとイスを、この場所に設置されたのでした。
ここに至るまで、商店街やりそな銀行の協力はもちろん、北区役所や地域で花を育てている「種花の会」のみなさんなど、いろんな人が、このプロジェクトにかかわっています。さらには、生駒の書家の先生もご協力。
憩いの場をつくることで、迷惑駐輪をなくそうという試みですね。
朝から路面を掃除したり、花の手入れの方法をレクチャーしてもらったりと、設置に向けてのあれやこれやをやってはりました。
夜、通りがかってみると、早速、この場所でライブが行われてました!(終わってからの片付けの場面に通りがかってしまった…)
今後は、花を種花の会が提供し、りそな銀行の行員さんが手入れされていくそうです。
そうすることで、繋がりが一過性のものではなく、長きにわたって続いていくところがいいですね。
手前に見える「書」は、生駒の書家、今柄紫峯先生の筆によるものです。
このチャーミングな筆遣いは、とれたての真鰯を口にしたときのように人の顔をニコニコッとさせるけれども、こうした言葉によるメッセージでのアピールは、僕個人としては、ちょっと抵抗あります。この場所に迷惑駐輪しようとする人たちに訴えかける力があるのかどうかも、正直、わかりません。
でも、この場所のオープニングを飾る作品だと捉えると、これはこれでいいような気もしますね。
次の展開があるのだとしたら、この場所で、時間をつぶせるような、たとえば、クイズなんかが貼られているとおもしろいかも。
それにしても…、素敵な場所に生まれ変わりました。
木製のイスは、座ってみるとわかるんですが、プラスチックやFRPのイスと違って、冬でもそんなに冷たくないんです。なによりも、木の瑞々しい香りがします。
直前までは、こんな場所だったのですよ。
コンクリート製の重厚で無機質なプランターが置かれていて、コーンとロープで、自転車を閉め出していたのでした。
それでも、こうやってチャリが停められていきます。
適当な写真がなかったので上手く伝えられないのだけれども、こんなもんじゃなくて、もうぎっしりとチャリが置かれているのが日常だったのですよ。
それが、すごく気持ちのいい場所になりました。
迷惑駐輪問題を、その場所を憩いの場にすることで解決しよう、という発想は、素敵なアイデアではあるけれども、突拍子もないアイデアだとは思いません。
陳腐ではもちろんないし、素敵なアイデアであるのには違いないけれども、冴えた人なら考えつくかもしれないアイデアだと思うのですね。冴えた人なら。
でも、それを実現させるのに、莫大なおカネを投下して独善的にやっていくのではなくて、さまざまにある資源を繋いで、人を繋いで、そのことによって「想い」を分厚くしていって、想いを分厚くすることで信頼を醸成していって、こうやって実現させちゃうところが、僕の目にはとても新鮮に映るのです。
地域が抱える課題や問題は、投下するおカネがないゆえに放置されていることも多いけれども、それ以前に、さまざまにたくさんある資源を繋いで、想いの総体を分厚くさせることで解決の糸口を探るほうが、公共の精神にマッチしていて上手くいくような気がします。そのほうが、継続していきます。
今回のプロジェクトは外野で拝見するのみだったけれども、そんなことを感じましたですね。